商社・卸売業の会社を売るとき、買い手が本当に買っているのは倉庫や在庫ではありません。仕入先から預かっている代理店・特約店の権利と、販売先との取引を回している営業担当です。
この2つは貸借対照表に載らず、手法によっては移らないこともあります。株式譲渡でも、代理店契約に「株主が変わったら解除できる」という条項があれば、仕入先の一存で商権が消えます。事業譲渡なら、契約も許認可も1本ずつ移し替えることになり、品目によっては許可を取り直すまで売れません。
この記事では、中小の専門商社・卸売業のオーナーと、商社の取得を考える事業会社に向けて、契約・許認可・在庫と売掛金・人の4点を、手法ごとに引き継げるかで整理します。総合商社の再編や上場会社のTOBは扱いません。
まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから
ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。
商社のM&Aで価値の源泉は仕入先・販売先との契約と人
製造業なら工場と技術、小売業なら店舗と立地が価値の中心になります。商社・卸売業では、次の3つが価値のほとんどを占めます。
| 価値の源泉 | 中身 | M&Aで崩れるきっかけ |
|---|---|---|
| 仕入先との契約 | 代理店契約・特約店契約・販売店契約。地域や品目の独占販売権が付いていることもある | 支配権の変更を理由とする解除、事業譲渡での承諾の拒否 |
| 販売先との取引 | 基本取引契約、口座、与信枠、納品の段取り | 担当者の退職、取引条件の見直し |
| 人 | 仕入先と販売先の両方の事情を知る営業担当、物流と受発注を回す事務 | 買収後の処遇の変更、オーナー社長の引退 |
在庫や売掛金は、この3つが回っている結果として残っている資産です。だから買い手のDDは、契約が続くか、人が残るか、を確かめた後に、在庫と売掛金が帳簿どおりの価値かを確かめる順で進みます。
代理店契約・特約店契約のチェンジ・オブ・コントロール条項と事業譲渡での移し替え
株式譲渡でも契約が切れる条項がある
株式譲渡では会社そのものは変わらないので、契約は原則としてそのまま続きます。ただし、代理店契約や特約店契約には、次のような条項(チェンジ・オブ・コントロール条項)が入っていることがあります。
- 株主構成や経営権に重大な変更があったときは、仕入先が契約を解除できる
- 株主の変更を事前に通知し、仕入先の承諾を得なければならない
- 競合する仕入先のグループに入った場合は、独占販売権を失う
海外メーカーの日本総代理店の契約や、大手メーカーの特約店契約には、この種の条項が入っていることが珍しくありません。売り手は売却を決めたら、主要な仕入先との契約書を全部集め、解除・通知・承諾の条項に印を付けた一覧を作っておきます。買い手が競合メーカーの系列なら、条項が無くても、仕入先が契約の更新に応じないことがあります。
事業譲渡では契約を1本ずつ移し替える
事業譲渡では、契約は自動的には移りません。契約上の地位を移すには、契約の相手方の承諾が要ります(民法第539条の2)。
| 対象 | 事業譲渡で移すには | 注意点 |
|---|---|---|
| 仕入先との代理店・特約店契約 | 仕入先ごとの承諾 | 承諾の代わりに新しい条件での契約の結び直しを求められることがある |
| 販売先との基本取引契約 | 販売先ごとの承諾 | 口座開設と与信審査のやり直しになる販売先もある |
| 売掛金 | 債権の譲渡として移す。販売先への通知か承諾で対抗要件を備える | 譲渡を禁じる特約があっても譲渡そのものは有効だが(民法第466条第2項)、販売先は買い手への支払いを拒んで売り手に払える(同条第3項) |
| 買掛金 | 債務の引受けとして移す | 仕入先の承諾が要る |
| 倉庫の賃貸借契約 | 貸主の承諾 | 承諾を得ずに転貸・譲渡すると解除の理由になる(民法第612条) |
仕入先が数十社、販売先が数百社ある商社では、事業譲渡の手間は重くなります。会社分割なら契約は分割契約に従って移りますが、代理店契約に「会社分割を解除事由とする」条項があれば、やはり仕入先の承諾が要ります。手法ごとの違いの全体は「株式譲渡と事業譲渡の違い」で扱っています。
商社のM&Aで扱う品目別の許認可が手法で引き継げるか(判定表)
商社の許認可は、会社に1つではなく、扱う品目ごと、販売場・営業所ごとに付いています。手法ごとの扱いは次のとおりです。○はそのまま続く(変更の届出などは要る)、△は条件付きで引き継げる、×は引き継げず新たに取る、という意味です。
| 品目と許認可 | 根拠法 | 株式譲渡 | 合併・会社分割 | 事業譲渡 |
|---|---|---|---|---|
| 酒類の販売業免許(卸売・小売) | 酒税法第9条 | ○ 役員の変更などは異動申告 | × 新たに申請。一定の要件を満たせば「法人成り等」として免許を付与する扱いがある | × 法人は新たに申請。卸売業免許は「営業の譲受け」の扱いがある。個人が事業の全部を譲る場合は申告で承継(同法第19条) |
| 医薬品の卸売販売業の許可 | 医薬品医療機器等法第24条・第25条第3号 | ○ 役員の変更などは30日以内に変更届(同法第38条で準用する第10条第1項) | × 新たに許可を取る | × 新たに許可を取る |
| 高度管理医療機器等の販売業・貸与業の許可 | 同法第39条 | ○ 変更届(同法第40条で準用する第10条第1項) | × 新たに許可を取る | × 新たに許可を取る |
| 管理医療機器の販売業・貸与業の届出 | 同法第39条の3 | ○ 変更届 | × 新たに届け出る(所管に確認する) | × 新たに届け出る(所管に確認する) |
| 古物商の許可 | 古物営業法第3条 | ○ 代表者・役員の変更は届出(同法第7条) | × 合併で消滅した法人の許可証は返納する(同法第8条第3項) | × 新たに許可を取る |
| 食品の営業許可・営業届出(食品卸など) | 食品衛生法第56条 | ○ そのまま | ○ 地位を承継し、承継の届出をする | △ 営業の全部の譲渡なら地位を承継できる(令和5年12月13日以降の譲渡が対象)。一部の譲渡は対象外 |
| 輸出の許可(リスト規制品など) | 外国為替及び外国貿易法第48条・第25条 | ○ 会社が受けた許可はそのまま | 手法ごとの扱いは経済産業省(安全保障貿易審査課)に確認する | 同左 |
酒類:卸売業免許は「営業の譲受け」の扱いを使えるかで価格が変わる
国税庁の法令解釈通達(酒税法第9条関係の14・15)には、合併・会社分割に伴う新規申請を「法人成り等」として扱う定めと、酒類卸売業者の営業の全部または重要な一部を譲り受けた者が卸売業免許を申請した場合、全酒類卸売業免許・ビール卸売業免許の需給調整の要件を満たさなくても免許を付与できるという定めがあります。どちらも、既存の販売場の取消申請を同時に出すこと、同じ場所で営業すること、既存の販売場が休業場(直近1年の販売実績が基準に届かない販売場)でないことなどが条件です。
全酒類卸売業免許は新規では取りにくい免許なので、酒類卸の買収では、この扱いを使えるかどうかが価格に直結します。販売実績が落ちて休業場の基準に近い販売場は、この扱いを受けられないおそれがあるので、売り手は直近の販売数量を確かめておきます。
医薬品・医療機器:合併や事業譲渡では取り直しになる
医薬品医療機器等法には、製造販売の承認については相続・合併・分割で地位を承継する規定(第14条の8など)がありますが、販売業の許可には承継の規定がありません。東京都の卸売販売業者向けの資料も、開設者の変更(合併、営業譲渡等)がある場合は新規の許可の取り直しになるとしています。許可が下りるまでの間は販売できないので、事業譲渡や合併を選ぶなら、許可の申請から取得までの期間を実行日の前に組み込みます。医薬品・医療機器を扱う商社では、許可を会社に残したまま進められる株式譲渡が選ばれやすいのはこのためです。
輸出管理:許可より社内の管理体制を見る
外国為替及び外国貿易法の輸出許可は、取引ごとの個別許可か、一定の範囲をまとめて認める包括許可です。M&Aで許可がどう扱われるかは手法と許可の種類で変わるので、経済産業省に確認します。買い手がDDで見るべきは、許可そのものより、該非判定の記録と、輸出者等遵守基準(同法第55条の10)に沿った社内の管理体制です。過去に該非判定をせずに輸出していた取引が見つかれば、株式譲渡では違反のリスクを会社ごと引き継ぎます。
なお、買い手が外国投資家に当たる場合は、株式の取得だけでなく事業の譲受けや合併による事業の承継も対内直接投資等に含まれ(同法第26条第2項)、業種によっては事前の届出が要ります(同法第27条)。
まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから
ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。
商社のM&Aで確かめる在庫の評価(滞留在庫)と売掛金の回収可能性
在庫は品目ごとの年齢表で見る
商社の在庫は、帳簿の金額と売れる金額の差が出やすい資産です。売り手は次の一覧を作り、買い手はそれをもとに評価を下げる金額を決めます。
- 品目ごとの在庫金額と、最後に出荷した日(1年以上動いていない在庫を分ける)
- 使用期限・賞味期限・型落ちのある品目と、その期限
- 仕入先に返品できる在庫と、できない在庫(返品条件は代理店契約に書かれていることが多い)
- 預かり在庫・委託在庫と、自社の所有在庫の区別
1年以上動いていない在庫を帳簿価額のまま残していると、買い手はその分を価格から差し引きます。売り手が売却前に評価減や処分を済ませておけば、交渉の場で在庫の議論に時間を取られずに済みます。
売掛金は回収の実績で見る
売掛金は、販売先ごとの年齢表(期日から何日経っているか)で確かめます。見るのは次の点です。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 期日を過ぎた売掛金と、その販売先 | 回収できない売掛金は価格から差し引かれる |
| 上位5社の売上と売掛金に占める割合 | 1社の倒産や取引停止で、売上と運転資金が同時に崩れる |
| 回収サイトの長い販売先と、手形・電子記録債権の割合 | サイトが長いほど運転資金が多く要る |
| 取引信用保険や担保の有無 | 回収できない場合の損失の上限が決まる |
商社の営業担当と顧客の関係をどう引き継ぐか
商社の商権は、契約書よりも人に付いていることが多くあります。販売先の購買担当が「この営業担当だから発注している」状態なら、その担当者が辞めた時点で取引は他の商社に移ります。
買い手は、販売先ごとに主な担当者を一覧にし、売上の多い販売先が特定の1人に集中していないかを確かめます。オーナー社長が自ら主要な仕入先・販売先を担当している場合は、社長の関与が最も重いリスクです。
| 状態 | 手当て |
|---|---|
| オーナー社長が主要な仕入先・販売先を直接担当 | 譲渡後も一定期間、顧問などで残り、後任の営業担当に1社ずつ引き継ぐ。期間と報酬を契約に書く |
| 主要な販売先が特定の営業担当に集中 | 買収前に複数の担当で訪問する体制に変える。キーパーソンの処遇を譲渡契約の前に決める |
| 営業担当が独立して同じ商材を扱うおそれ | 就業規則と誓約書の競業避止の定めを確かめる |
オーナー社長が譲渡後に同じ業種で商売を始めない約束は、譲渡契約の競業避止義務で決めます。範囲と期間の決め方は「競業避止義務」を参照してください。
商社のM&Aで引き継げるもの・引き継げないもの(判定表)
○は手続きなしで続く、△は承諾・届出・やり直しが要る、×は引き継げない(買い手が用意する)、という意味です。
| 項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 仕入先との代理店・特約店契約 | ○ そのまま(支配権変更の条項に注意) | △ 仕入先ごとの承諾が要る |
| 販売先との基本取引契約と口座 | ○ そのまま | △ 販売先ごとの承諾。口座の再開設もある |
| 売掛金・買掛金 | ○ 会社ごと残る | △ 債権の譲渡・債務の引受けとして移す |
| 在庫 | ○ そのまま | △ 契約で引き受けた分だけ。滞留在庫は外せる |
| 酒類・医薬品・医療機器・古物の許認可 | ○ 変更の届出・申告をする | × 新たに取る(酒類卸売業免許は営業の譲受けの扱いを確認) |
| 食品の営業許可・届出 | ○ そのまま | △ 営業の全部の譲渡なら地位を承継 |
| 営業担当・事務の従業員 | ○ 雇用はそのまま | △ 本人の同意で転籍(民法第625条) |
| 該非判定をしていない輸出・未払残業代などの簿外債務 | ○ 会社ごと引き継ぐ | × 契約で引き受けたものだけ |
株式譲渡は契約と許認可が残る代わりに、簿外のリスクも丸ごと引き受けます。事業譲渡は滞留在庫や不要な取引を外せる代わりに、仕入先・販売先・従業員の承諾を集め、許認可を取り直すことになります。DDの進め方の全体は「デューデリジェンス(DD)とは?」で扱っています。
まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから
ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。
商社の価格の見方は粗利率と運転資金
商社の利益は、売上高ではなく粗利(売上総利益)で見ます。売上高が大きくても、粗利率が数%の商社と20%を超える商社では、同じ売上でも稼ぐ力がまったく違います。買い手は、仕入先・品目ごとの粗利率と、その粗利が特定の代理店契約にどれだけ依存しているかを確かめます。
もう一つが運転資金です。商社は、販売先から回収する前に仕入先へ支払い、在庫も抱えるので、事業を回すのに資金が要ります。
計算例(数字は説明のための仮定)
- 売上高 10億円、売上原価 8.5億円(粗利率15%)
- 売掛金の回収 60日、在庫の保有 45日、買掛金の支払 45日
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 売掛金 | 10億円 × 60 ÷ 365 | 約1.64億円 |
| 在庫 | 8.5億円 × 45 ÷ 365 | 約1.05億円 |
| 買掛金 | 8.5億円 × 45 ÷ 365 | 約1.05億円 |
| 運転資金(売掛金+在庫-買掛金) | 約1.64億円 |
同じ会社で売掛金の回収が90日に延びれば、売掛金は約2.47億円になり、運転資金は約0.82億円増えます。買い手は、この運転資金を借入で賄うことになるので、回収サイトの長い販売先が多い商社ほど、同じ利益でも価格が低くなります。
株式譲渡の価格交渉では、平常時の運転資金の水準を決めておき、実行日の運転資金がそれを下回れば価格を減らす、という調整を入れることがあります。売却直前に在庫を減らしたり、回収を急がせたりして見かけの数字を良くしても、この調整で相殺されます。価格の算定方法そのものは「M&Aの価格算定4手法と計算例」を参照してください。
商社の売り方を決める判定表
自社の状態に当てはまる行を探してください。
| 商社の状態 | 向く進め方 | 先にやること |
|---|---|---|
| 医薬品・医療機器・古物・酒類を扱い、許可が売上の前提になっている | 株式譲渡 | 許可・届出の一覧と、役員変更の届出の段取り |
| 主要な代理店契約に支配権変更の条項がある | 株式譲渡でも、仕入先の了解を取ってから実行する | 条項に印を付けた契約一覧。仕入先に話す順番を決める |
| 酒類卸で、全酒類卸売業免許を持っている | 株式譲渡、または営業の譲受けの扱いを使った事業譲渡 | 直近1年の販売数量が休業場の基準を下回っていないかの確認 |
| 複数の事業部があり、一部の品目だけを売る | 事業譲渡または会社分割 | 移す契約と許認可の一覧。取り直しが要る許可の期間の見積もり |
| 1年以上動いていない在庫や、期日を過ぎた売掛金が多い | 売る前に評価減・処分・回収を済ませる | 在庫と売掛金の年齢表 |
| オーナー社長が主要な仕入先・販売先を一人で担当している | 社長が一定期間残る前提で売る。または引継ぎを始めてから売る | 取引先ごとの担当者一覧と、後任の候補 |
| 黒字で契約も安定しているが、後継者がいない | すぐに売らなくてもよい。社内の後継者か、株式譲渡の準備から始める | 契約一覧と許認可の一覧を作っておく |
買い手の側から見るなら、同じ表で「仕入先が契約を続けるか」「許可を取り直す期間に売上が止まらないか」「在庫と売掛金が帳簿どおりの価値か」を確かめる、という読み方になります。
よくある質問
Q. 株式譲渡で商社を売ると、仕入先に知らせる必要はありますか。
契約の当事者は会社のままなので、法律上は承諾は要りません。ただし、代理店契約に株主の変更の通知や承諾を求める条項があれば、それに従います。条項が無くても、主要な仕入先には実行の前後に説明するのが通常です。知らせずに進めて後から知られると、更新の時に契約を打ち切られることがあります。
Q. 事業譲渡で酒類の卸売業免許を引き継げますか。
法人の事業譲渡では、免許そのものは引き継げず、買い手が新たに申請します。ただし、国税庁の通達には、酒類卸売業者の営業の全部または重要な一部を譲り受けた者には、需給調整の要件を満たさなくても卸売業免許を付与できるという扱いがあります。同じ場所で営業すること、既存の販売場が休業場でないことなどの条件があるので、所轄の税務署の酒類指導官に事前に相談します。
Q. 医薬品の卸売販売業の許可は、合併で引き継げますか。
医薬品医療機器等法には、販売業の許可を合併で承継する規定がありません。合併後の会社が新たに許可を取ることになります。許可の取得までは販売できないので、合併の効力発生日に合わせて申請の時期を所管の都道府県と相談します。
Q. 在庫の多い商社は売れにくいですか。
在庫が多いこと自体より、売れない在庫が帳簿価額のまま残っていることが問題になります。品目ごとの年齢表を作り、1年以上動いていない在庫の評価減や処分を売却前に済ませておけば、価格の交渉で在庫が争点になりにくくなります。
まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから
ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。
まとめ
商社のM&Aは、仕入先との契約と営業担当が移るかで手法が決まり、在庫と売掛金と運転資金で価格が決まる取引です。
株式譲渡なら契約も許認可も会社に残るが、支配権変更の条項で代理店契約が切れることがあり、簿外のリスクも引き継ぐ。事業譲渡や合併では、医薬品・医療機器・古物・酒類の許認可は取り直しになり、契約は仕入先と販売先の承諾を一つずつ集めることになる。
売り手は、支配権変更の条項に印を付けた契約一覧と、品目ごとの許認可の一覧を、価格の交渉より先に作ってください。
参考
- 酒税法(昭和28年法律第6号)https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000006
- 国税庁「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達 第9条 酒類の販売業免許」https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sake/2-06.htm
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145
- 東京都健康安全研究センター「医薬品卸売販売業者の皆様へ ~管理上の主な留意点~(2021年8月版)」https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/k_yakuji/k-kanshi/oroshi/db1bf366e3eca41961b40751a17e07ae2.pdf
- 古物営業法(昭和24年法律第108号)https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108
- 食品衛生法(昭和22年法律第233号)https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233
- 東京都保健医療局「事業譲渡による営業許可・届出の地位の承継について」https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/jigyojoto.html
- 外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228
- 民法(明治29年法律第89号)https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
ジョブカンM&A ジョブカンM&A編集部
ジョブカンM&Aは、株式会社DONUTSが運営するM&Aアドバイザリーサービスです。主に企業の事業承継、成長戦略、出口戦略(イグジット)といった多様なニーズに応えることを目的としています。最大の特徴は、累計導入社数20万社以上を誇るバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」の広範なネットワークを活用している点です。この強力な顧客基盤を生かし、効率的なマッチングを実現します。
他の関連記事はこちら