企業が経営を続けることが困難になったときに、とるべき選択肢のひとつが「民事再生」です。民事再生の手続きをおこなえば、会社を清算することなく、事業を続けながら再建を目指すことができます。具体的にどのような手続きをとればいいのか、デメリットや注意点はあるのかなどを詳しく解説していきます。
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民事再生とは? ~経営危機に直面した企業の5つの選択肢~
経営危機に陥り、倒産手続きが必要になった企業は、民事再生をはじめとする5つの選択肢のうちひとつを選ぶことになります。
まず、5つのうち4つは、裁判所が関与する法律上の倒産手続きです。
4つの内訳は次の通りです。
| 再建型 | 民事再生 |
| 会社更生 | |
| 清算型 | 破産 |
| 特別清算 |
「再建型」は、経営が悪化した企業が事業を継続することを前提に、裁判所の監督下で債務の圧縮・整理を続けて、再建を目指す法的整理手続きです。一方の「清算型」は、会社の財産をすべて換金して債権者に分配して、会社そのものを消滅させる手続きのことをいいます。
上記4つとは別に、法律上の倒産手続きには該当しないものの、実務上、「倒産扱い」となるのが「私的整理」です。私的整理は、裁判所が関与しない任意の整理ですが、金融機関や取引先からは、実質、倒産とみなされることがほとんどです。
それぞれどのような手続きであるのかを解説していきます。
民事再生
民事再生とは、資金繰りがうまくいかなくなった企業や個人事業主が、裁判所で再生計画の認可を受けて、事業や生活の再生を図る制度で、「民事再生法」に基づく手続きです。民事再生をおこなうためには、自社または自身で借金の返済計画を立案して、銀行などの債権者からの同意を得なくてはなりません。また、前提として、民事再生法が定めている民事再生の適用条件に当てはまらなければ、民事再生手続きを始めることができません。
会社更生
民事再生が民事再生法に基づく手続きである一方、会社更生は「会社更生法」に基づいて手続きをおこなうことになります。民事再生においては、返済計画立案後もそれまでと同じ経営陣が指揮を執りますが、会社更生においては、経営陣が刷新されることとなり、返済計画立案以降は管財人が経営を引き継ぎます。また、民事再生の場合、債務の返済計画は旧経営陣が中心となって立案する一方、会社更生においては外部の専門家が立案するのが一般的です。
破産
破産とは、再建のめどが立たない法人を清算して(個人事業主の場合は事業を清算)、最終的に消滅させる手続きです。破産手続きは、「破産法」に基づいておこなわれます。なお、通常は、会社を消滅させることをゴールに最初から破産手続きをとりますが、「破産」という言葉が持つマイナスイメージを避けるために、民事再生手続きからスタートして、途中で破産手続きに切り替える場合もあります。
特別清算
特別清算は、破産と同じく、最終的に会社を消滅させることを目的としています。ただし、特別清算は「会社法」に基づいた手続きで、この制度は株式会社しか利用することができません。
私的整理
私的整理とは、裁判所を通すことなく、債権者と任意で交渉して債務を減免することをいいます。裁判所が関与しないぶん、スピーディに手続きを進められる可能性がありますが、すべての債権者の同意を得ることができなければ成立しません。
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M&Aにおける民事再生の役割
M&Aの文脈において、民事再生は「プレパッケージ型」を中心に、債務超過に陥った企業の「事業再生M&A」として活用されます。買い手にとっては、簿外債務などのリスクを遮断し、裁判所の認可のもとでクリーンな状態で事業を譲り受けられるメリットがあります。一方、売り手にとっては、破産による事業消滅を避け、雇用や取引先を守りながらスポンサーに事業を託す手法となります。
民事再生の3つの方法
民事再生は、主に次の3つの方法のいずれかで進めていくことになります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
自力再建型
自力再建型とは、債務をある程度圧縮して、事業で得た収益によって残りの債務を自力で返済していく方法です。利益がある程度出ていて、将来的にも収益力が落ちることがないと見込まれる場合に適用されます。安定して収益を上げることができていない場合、自力再建型を選択することはできません。
スポンサー型
自社の再建を支援するスポンサー企業を見つけ、資金援助や事業譲渡を受ける方法です。M&A実務では、「事業譲渡」や「会社分割」のスキームと併用されるのが一般的です。買い手側は、裁判所の許可を得て事業を譲り受けるため、通常のM&Aで懸念される「簿外債務」や「過大な負債」を引き継ぐリスクを法的に遮断できるという大きなメリットがあります。
清算型
清算型とは、債務を圧縮した後に自社を売却して、その対価を残った債務の返済に充てると同時に、それでも返しきれない分について、受け皿となる会社が返済していく方法です。一般的には、自社の事業のうち優良部門を切り離して、受け皿となる会社に譲渡します。つまり、元の会社は消滅するため従業員は解雇となりますが、元の会社を消滅させずに、一部事業のみ残して会社を継続させるケースもあります。
清算型は、自力再建が困難で、かつスポンサーも見つからない場合の選択肢となる方法です。
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民事再生を選択するメリット
前述の通り、民事再生法が定める適用条件を満たしていなければ民事再生という手段をとることはできませんが、活用可能な場合、民事再生という手段を選択すると次のようなメリットが得られます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
経営陣が退陣しなくていい
前述の通り、会社更生を選択した場合、経営陣は退陣しなくてはなりませんが、民事再生適用となれば、経営陣は引き続き指揮を執ることができます。そのため、現場の混乱を最小限に抑えながら事業再生を目指すことができます。
債務を圧縮できる
再生計画に基づいて債務の一部が免除されます。また、弁済期間は原則として3年まで延長できるため、資金繰りが改善されます。
弁済期間は原則3年、最大5年、例外的に10年まで
民事再生を実行する場合、原則として再生計画認可から3年以内に弁済を終えられるように再生計画を立てる必要があります。ただし、やむを得ない事情があるときに限っては、裁判所の判断によって5年まで延長することが認められます。
どのような場合に5年まで延長が認められるかというと、次のような場合です。
(5年まで延長が認められる例)
毎月のキャッシュフローが弱く、3年では破綻の恐れがあるため
設備投資・人員整理・取引先の回復などに一定期間が必要であるため
短期返済にするとリストラが不可避になる場合
3年より5年のほうが回収額が多くなることが明らかで、合理性があると説明できる場合
また、10年まで延長が認められるケースはかなりの例外ですが、以下のような場合に認められることがあります。
(10年まで延長が認められる例)
住宅ローンを守る必要があり、長期返済が不可欠な場合
地域の基幹企業、医療法人、社会インフラ関連など
不動産開発、再エネ、インフラ事業など、短期ではキャッシュが出ないが、長期では確実に回収見込みがある
特に金融機関が「10年でも回収できる」と合理的に判断している場合
取引先や顧客との関係性を継続できる
民事再生の適用となれば、事業を続けながら債務整理を進めることができるため、取引先や顧客との関係も維持できるということになります。なお、返済計画が裁判所に認められれば、原則として最長で10年間の分割返済が可能になります。
差し押さえを回避できる
裁判所に申立てをおこなうと、債権者による差し押さえ(強制執行)を中止・禁止することができます。つまり、金融機関による預金口座の凍結や、預金と借入金の相殺を防ぐことができるということです。そのため、事業に必要な運転資金を確保しやすくなります。
従業員の雇用を継続できる
民事再生は事業の継続を前提とした手続きであるため、従業員を解雇する必要がありません。
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民事再生を選択するデメリット・注意点
民事再生には、次のようなデメリット・注意点もあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
債権者の同意がなければ再生計画が成立しない
再生計画を成立させるためには、債権者集会での決議で、次の2つの要件を満たさなくてはなりません。
2つともを満たすことができなければ、再生計画案は否決されます。再生計画案が否決されることを防ぐために、債権者に丁寧に説明する努力を怠らず、理解を求めることが大切です。
なお、丁寧に説明しても必ずしも同意を得られるとは限りません。再生計画案が結果的に債権者集会で否決した場合、あるいは可決されたとしても裁判所が“遂行の見込みなし”と判断した場合、再生手続きは廃止されて、裁判所の職権で破産手続の開始が決定される場合があります。これを「牽連破産(けんさんはさん)」といいます。
民事再生の手続きそのものに費用がかかる
民事再生をおこなうには、負債総額に応じた手続き費用を裁判所に支払う必要があります。これを「予納金」といいます。予納金は、最低でも200万円程度ひつようで、負債総額によっては数千万円に及ぶこともあります。加えて、民事再生の手続きは一般的に弁護士などの専門家に依頼するため、弁護士費用も発生することになります。
申立てから再生計画の認可までに時間がかかる
民事再生は裁判所が関与する法的手続きであるため、認可されるまでに時間がかかります。具体的には、申立てから再生計画の認可までに、半年から1年程度を要します。
債務免除益に対して税金がかかる
民事再生の手続きが完了すると、借入金や買掛金などの債務の一部が免除されますが、債務の減免は会計上の利益となります。これを債務免除益といい、債務免除益には法人税などの税金が課されます。
債権者に「担保権」を行使されて財産を失う場合がある
債権者のなかに、担保権を設定している債権を持っている債権者がいた場合、行使される可能性があります。「担保権」とは、借入金などの債務が返済されない場合に備えて、債権者が、債務者または第三者の特定の財産から、他の債権者に優先して弁済を受けられる(回収できる)権利です。
債権者が、会社の土地や主要な設備を担保として設定している場合、民事再生手続き中であっても、担保権が行使されて、事業に必要な財産を失う可能性があります。
社会的信頼が落ちる可能性がある
「破産」という言葉が持つマイナスイメージを避けるために、民事再生手続きからスタートして、途中で破産手続きに切り替える場合もあることは先に解説した通りですが、民事再生であればマイナスイメージを持たれないというわけではありません。破産であっても民事再生であっても倒産手続きであることには変わりないので、取引先によっては、「今後、この会社とは付き合いたくない」と考える可能性があります。そうなると、業績が悪化する可能性を念頭に置いておいたほうがいいでしょう。
主要契約の解除リスク(COC条項)
民事再生の申立ては、多くの取引契約において「解除事由」に該当します。ライセンス契約や賃貸借契約、フランチャイズ契約などが解除されると、事業価値が大きく毀損し、スポンサー(買い手)が現れないリスクがあります。事前に主要取引先との調整が不可欠です。
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民事再生による従業員・株主への影響は?
民事再生を進めていくにあたっては、従業員および株主にどんな影響が及ぶかを理解しておくことが大切です。
民事再生による従業員への影響
民事再生は事業継続を前提としているため、従業員の雇用は基本的に維持されます。従業員・元従業員からするともっとも気になるのが「給与・退職金の支払いがあるのか?」という点ですが、民事再生手続き開始前の未払い給与や退職金については「一般優先債権」、民事再生手続き開始後に発生する給与に関しては「共益債権」として優先的に弁済されることになります。
ただし、事業再建の課程において人件費を削減する必要性が生じた場合、人員整理や労働条件の見直しがおこなわれることがあります。また、優良部門の事業のみ、事業譲渡という形で継続する場合、それ以外の部門の従業員は解雇になることがあります。ただし、これらのケースにおいても、退職金や未払い給与は優先的に保護されることになります。
民事再生による株主への影響
民事再生が申し立てられて、会社の社会的信用が落ちると、株価が大幅に下落する可能性が高いといえます。上場企業であれば、原則、上場廃止になるため、以降、取引所で株式を売買することができなくなります。例外として、再建計画の適切な開示や裁判所の認可見込み、一定の時価総額維持などの要件を満たしている場合には上場が維持されることもありますが、いずれにしても株価下落は避けられません。そのため、既存株主が損失を被る可能性が非常に高いといえます。ただし、再建計画が実行されて事業が立て直されれば、株主が一定の権利を保持できる可能性がありますし、長い目で見ると、株価が再び上昇する可能性もあります。
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民事再生の流れ
民事再生の流れは次の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
民事再生に詳しい弁護士に「申立代理人」を依頼する
通常、民事再生手続きの申立ては弁護士がおこないます。そのため、民事再生に詳しい弁護士に、再建の見込みや手続きの妥当性について確認して、申立代理人となってもらうことからスタートするのが一般的です。弁護士に依頼するにあたっては、着手金を用意する必要があります。
民事再生申立ての要件とは?
民事再生の申立てをおこなうためには、民事再生法第21条に定められた次の2つの要件のいずれかを満たしている必要があります。この要件をクリアしているかについても、弁護士に確認することが大切です。
現状は支払い不能や債務超過に陥っておらず、そうした状態に陥る“恐れがある”段階ということになります。
手元の資金を支払いに充てると、その後の仕入れや従業員への給与支払いができなくなり、事業を継続することが困難な状態にあるということになります。
裁判所に申立てをおこなう
会社の本店所在地を管轄する地方裁判所で「民事再生手続開始の申立て」をおこないます。この際、負債総額に応じた「予納金」を裁判所に納める必要があります。
保全処分が出される/監督委員を選任する
民事再生手続きの申立てが裁判所に受理されると、裁判所によって、弁済を禁止する「保全処分」が出されます。これによって、申立て以前に生じた債務に弁済することができなくなります。
これと同時に、裁判所によって“監督委員”となる弁護士が選定されます。目的は、会社の一定の行為を監督することです。
債権者説明会を開く
債権者説明会を開いて、民事再生の申立てをおこなうに至った経緯や、再生手続き後の債権の取り扱い、再生計画の詳細やスケジュールなどを説明します。債権者説明会には、基本的にすべての債権者に参加してもらうことになります。なぜかというと、一部の債権者による不公平な債権の回収を防ぐ必要があるためです。また、民事再生手続きに協力してもらうためにも、債権者に詳細をしっかり理解してもらうことが必要です。
民事再生手続きの開始が決定される
債権者説明会を開いた結果、主要債権者の多くから民事再生に向けて同意を得ることができたら、申立てから約1~2週間で民事再生手続きが開始されます。
主要債権者の多くから反対された場合や、申立棄却事由に該当する場合、この時点で申立棄却となります。
民事再生の申立棄却事由とは?
「申立棄却事由」とは、具体的には次のケースです。
上記のケースに該当する場合、民事再生の申立てをおこなっても、裁判所が承認することはありません。裁判所の承認を得られなかった場合、先に解説した、残りの4つの倒産手続きのいずれかを選択するか、あるいは倒産手続きそのものを諦めるかしかありません。
債権者に債権届が届く
民事再生手続きが開始されると、裁判所から債権者に対して「債権届」が送付されます。債権届を受け取った債権者は、決められた期限までに、受け取った債権届に債権額および発生原因を記載して裁判所に返送する必要があります。なお、期限を過ぎると、債権者は議決権を失い、再生計画の決議に参加できなくなります。
財産評定書を作成・提出する
会社の全財産を評価して「財産評定所」を作成して、裁判所に報告します。
債権認否書を提出する
債権者から裁判所に返送された債権届を確認して、内容を認めるかどうかを判断したら、「債権認否書」を提出します。会社側が、債権者による届出に漏れている債権を把握している場合、「自認債権」として申告する必要があります。自認債権は議決権を持っていませんが、再生計画に基づいて弁済を受けることができます。この一連の手続きが完了すると、再生計画のベースとなる負債総額が確定します。
再生計画案の作成・提出・決議
民事再生に向けて再生計画を作成して、すべての債権者に提出します。再生計画を受け取った債権者は内容を確認して、決議をとります。債権者集会に出席した債権者の過半数かつ債権者ベースでも半数以上の賛成が得られた場合、認可されることとなります。
なお、いずれか一方のみの条件を満たした場合は再投票をおこないます。いずれの条件も満たさない場合、再生計画案が否決されたということになるため、破産手続きに移行しなくてはなりません。
再生計画の認可・遂行・終結
債権者の賛成が得られた場合は、再生計画の内容に従って、事業を継続しながら債権者に返済していきます。再生計画を遂行し終わった場合、あるいは再生計画決定から3年(前述の通り、最大で5年、例外的には10年)が経過した場合、民事再生法の定めるところによって、再生手続きは終結します。再生手続き終結までの間は、監督委員によって定期的に再生計画を履行できているかどうかチェックされます。
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民事再生を成功させるポイント
民事再生を成功させるための主なポイントは次の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
将来的な資金計画を見通してなるべく早い段階に申立てをおこなう
先に解説した通り、民事再生をおこなうためには、裁判所に予納金を納めて、弁護士に申立代理人を依頼するための費用を支払う必要があります。さらに、申立てが認可された場合、従業員の給与や仕入れ代金などの運転資金が必要になるため、資金が底をついたまったくゼロの状態にまで陥ってしまった場合、そもそも民事再生申立てをおこなうことができません。
そのため、民事再生によって事業を立て直したい場合、なるべく早い段階で申立てをおこなうことが大事です。
債権者に対して誠心誠意の説明を尽くす
これに関しても先に解説した通りですが、民事再生の再生計画は、債権者からの賛同を得られなければ着手することができません。そのため、債権者からの賛同を得るために最大限努力することが大切です。債権者に対して誠心誠意の説明を尽くすだけでなく、適切なタイミングで情報を開示することも心がけましょう。遅すぎるタイミングでの情報開示だと、それだけで不信感を抱かれてしまいます。
債権者への情報開示のタイミングや、どのように説明すべきであるかということに関して不明点がある場合、弁護士に相談するといいでしょう。
実現可能性の高い再生計画案を作成する
債権者や裁判所から民事再生を認めてもらうためには、「この再生計画なら遂行できそうだから、きちんと返せるに違いない」と思ってもらえるよう、実現可能性の高い再生計画案を作成することが大切です。ただし、債権者や裁判所に納得してもらえる再生計画案を自社のみで作成することは簡単ではありません。経験豊富な専門家にアドバイスを求めながら作成を進めていきましょう。
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民事再生に関するFAQ
続いては、民事再生に関するよくある質問とその答えをみていきましょう。
Q. 民事再生手続きをとる会社の経営者の、連帯保証債務や個人資産はどのように扱われることになりますか?
経営者個人の連帯保証債務は、原則として免除されることがありません。また、債権者は保証人である経営者に対して、減額されなかった残りの債務の全額を返済するよう求めることができます。これに応じるのが難しいという理由から、経営者個人は自己破産などの債務整理をおこなう場合があります。なお、経営者個人の資産は会社の再生手続きの対象にはならないものの、個人として債務整理をおこなう場合は、その手続きの対象となります。
Q. 民事再生の手続きを進める事実は、官報に掲載されますか?
民事再生は法的手続きであるため、手続きの開始決定や再生計画の認可決定などがおこなわれるたび、その事実が官報に公告されることになります。なぜかというと、債権者をはじめとする利害関係者に、手続きの進行状況を知らせる必要があるためです。
Q. 民事再生の再生手続き終了後は、金融機関から新たな融資を受けることができますか?
再生手続きをとった会社が、再生手続き終了後に金融機関から新たに融資を受けることは禁止されてはいませんが、金融機関が融資してくれるかどうかは別問題です。一般的には、企業の信用力が大きく低下していることから、新たな融資を受けることは難しいと考えられますが、再生計画を麩移行する過程で財務状況が健全化して、信頼を取り戻すことができていれば、融資を検討してくれる金融機関も出てくるかもしれません。
なお、再生手続き中に事業継続に必要な資金を調達するために、「DIPファイナンス」を利用するという選択肢もあります。
Q. 「DIPファイナンス」とは何ですか?
「DIPファイナンス」とは、民事再生や会社更生をおこなう企業が受けられる融資のことで、事業継続のための運転資金や設備投資、リストラの資金などに使われることになります。「DIP」は「Debtor In Possession」の頭文字を並べた言葉で、日本語にすると「継続して占領する債務者」となります。
DIPファイナンスは、関係性維持のためにメインバンクが出すこともあれば、政策金融機関や投資ファンド(再生ファンド)、あるいは再生案件に強い金融機関が出すこともあります。なお、DIPファイナンスは原則として共益債権で、既存の金融機関や取引先より返済順位が上になるため、貸す側は「倒産企業であっても比較的安全」と判断する傾向にあります。在庫や売掛金、事業用不動産、場合によってはスーパープライオリティ(超優先権)がつくこともあります。
Q. 民事裁判を弁護士に依頼した場合の費用の目安はどの程度ですか?
弁護士費用は、基本的に着手金と成功報酬にわかれています。民事裁判の場合の目安は、着手金が100万円から300万円程度で、成功報酬は、経済的利益の10~20%程度となります。
経営危機に陥った場合、その他の選択肢も含めて検討して最適な選択を心がけよう
ここまで解説してきた通り、民事再生にはメリットだけでなくデメリットもありますし、民事再生を希望していても、認可してもらえない場合もあります。ただし、「資金が底をつく前なら認可してもらえた」という場合もあるので、再生を図りたいなら、タイミングを逃さず行動する必要があります。また、適切なタイミング、適切な選択肢がわからないという場合は特に、少しでも早い段階で専門家に相談することが大切です。場合によっては、M&Aという選択肢がベストであることもあるので、M&Aや倒産手続きについて詳しく、経験豊富な専門家を探すところからはじめましょう。
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この記事は、時点の情報を元に作成しています。
ジョブカンM&A ジョブカンM&A編集部
ジョブカンM&Aは、株式会社DONUTSが運営するM&Aアドバイザリーサービスです。主に企業の事業承継、成長戦略、出口戦略(イグジット)といった多様なニーズに応えることを目的としています。最大の特徴は、累計導入社数20万社以上を誇るバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」の広範なネットワークを活用している点です。この強力な顧客基盤を生かし、効率的なマッチングを実現します。
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