会社の株式を、対価を受け取ることなく無償で譲り渡すことは、法律上、「贈与」にあたります。手続きそのものは手軽であるため、事業承継や従業員へのインセンティブなどさまざまな目的でおこなわれますが、高額な税金が発生する場合があるため注意が必要です。そこで今回は、株式を無償で譲渡する・譲渡されると発生する税金の種類や必要な手続き、無償譲渡にあたっての注意点などを解説していきます。
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株式の無償譲渡とは?
株式の無償譲渡とは、対価を一切受け取ることなく、株式を他社へ譲り渡す行為のことです。株式の無償譲渡は、民法上の「贈与契約」にあたります。贈与契約とは、贈与者が自己の財産を無償で受贈者に与える意思を表示して、受贈者がこれを受諾することによって成立する契約です。贈与契約は口約束のみでも成立しますが、トラブルを避けるためにも、「株式贈与契約書」を取り交わすことが望ましいといえます。
株式の無償譲渡と有償譲渡の違いとは?
株式の譲渡には、無償譲渡のほかに有償譲渡があります。
有償譲渡は、株式を金銭などの対価と引き換えに譲り渡すことです。無償譲渡とは異なり、売買契約となるため、契約金額に応じて、収入印紙を用意する必要があります。
また、無償譲渡の場合、詳しくは後述しますが、「個人→個人」「個人→法人」「法人→個人」「法人→法人」の4つのパターンによって発生する税金が異なりますが、有償譲渡の場合、株式を売却して利益が出た個人に対しては、所得税が課され、譲渡された側には税金は課されません。
有償譲渡する場合に注意すべき「低額譲渡」とは?
有償譲渡であっても、取引価額が時価に比べて著しく低い場合は、税務上、「時価と取引価額の差額分」が無償で贈与されたとみなされ、差額に対して贈与税が課される場合があります。
そのため、「有償譲渡であれば所得税のみしか課されない」というわけではないので、価額の設定には注意が必要です。
なお、取引価額が直に比べて著しく低いケースのことを「低額譲渡」と呼びます。
株式の無償譲渡をおこなう主な目的
株式は、譲渡する対価として金銭などを受け取ることもできます。それでも無償で譲渡する場合があるのは、対価を受け取ることより優先すべき目的があるためです。目的はいくつか考えられますが、もっとも多い目的は次の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
事業承継
事業承継のために株式の無償譲渡がおこなわれるケースは非常に多いです。とりわけ、中小企業のオーナー経営者が親族に事業を引き継いでもらいたい場合、この手法が役立ちます。なぜかというと、中小企業の多くは、オーナー経営者およびその一族が株式の大半を保有しているため、オーナー経営者が保有している株式を譲渡することによって、円滑な承継が叶うからです。
仮に、親族への事業承継を有償譲渡によっておこなうとすると、後継者となる子や孫が、会社の株式を買い取るために退勤を用意しなくてはなりませんが、後継者候補にそのような資金力があることは稀でしょう。そのため、資金不足が原因で事業承継がうまくいかない可能性が高いといえます。一方、無償贈与であれば、後継者は自己資金を用意することなく、経営に必要な株式を取得することができます。
注意点
前述の通り、株式の無償譲渡は贈与契約にあたるため、税負担を最小限に抑えるための対策をとらなければ、高額な贈与税が課される可能性があります。なお、税負担を軽減するためにとるべき対策については後述します。
従業員や役員へのインセンティブ
会社の成長に貢献した役員や従業員の功労に報いるべく、自社株式をインセンティブとして無償譲渡することもあります。これによって、株式を譲渡された側は、一役員・一従業員であると同時に“会社の共同所有者”ということにもなるため、業績向上への貢献意欲がさらに高まります。会社の利益が上がれば、配当金の増加、株価の上昇といった形で自分自身に還元されることも、モチベーションが向上する大きな理由です。
さらに、会社の共同所有者になれば、会社を離れるという選択肢について考えなくなるため、優秀な人材の流出を防ぐ効果も期待できます。
注意点
法人から役員や従業員に無償譲渡した株式の時価相当額は、「給与所得」とみなされます。給与所得は総合課税の対象であるため、他の給与と合算されたうえで、所得税や住民税が課されます。税率は最高で55%(所得税45%+住民税10%)です。
※ただし、所得税の税率が45%となるのは、所得が4,000万円以上の場合
つまり、納税のための現金を用意する必要があるということになりますが、株式を譲渡されても現金が手に入るわけではないので、事前の説明および納税資金に関するケアがなければ、従業員を困惑させてしまいます。
相続税対策
オーナー経営者の死去に伴い、相続が発生すると、遺された家族は相続税を支払う必要があります。しかし、会社の業績が好調で株式の評価額が高いと、納税資金を準備できない場合があります。そうなると、株式や事業用資産を売却することで納税資金を捻出しなくてはならなくなり、事業の継続が脅かされます。
こうした事態を防ぐために、オーナー経営者の存命中に、将来的に相続財産となる株式を後継者などに少しずつ贈与することで、相続時の財産総額を減らして、相続税の負担を軽減させることが大切です。
注意点
相続ではなく無償譲渡という形にすると、一定の条件のもと、相続税の負担は軽減されますが、贈与税は支払わなくてはならない場合があります。そのため、相続税対策を目的に株式を無償で譲渡する場合、贈与税の非課税税度を利用することが重要です。贈与税の非課税制度についてはこのあと解説していきます。
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相続税対策として株式を無償譲渡する場合に活用すべき2つの制度
相続税対策として株式を無償譲渡する場合、贈与税の非課税制度である「暦年贈与」もしくは「相続時精算課税制度」を活用するのが賢明です。
なお、暦年課税と相続時精算課税制度は併用することができないため、いずれかの課税方法を選択する必要があります。ただし、受贈者1人に対して贈与者が2人以上いる場合、贈与者ごとに課税方法を選択することができるため、このケースに関しては“併用可能”ということになります。
暦年贈与
暦年贈与とは、1月1日から12月31日にかけての1年間に贈与された財産の合計額が110万円までであれば、贈与税がかからないという制度です。110万円以上の財産を非課税で贈与したい場合、2年以上かけて贈与する必要があります。
ただし、相続開始前7年以内の贈与に関しては相続財産に加算されるため、贈与が完了する前にオーナー経営者が死去した場合、7年前まで遡って、贈与されたはずの株式に相続税が課されるということになります。
相続時精算課税制度
相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子または孫へ財産を贈与する場合に活用できる制度です。この制度を活用すると、1年間に贈与を受けた相続時精算課税適用財産の価額の合計額から、基礎控除額110万円を控除したうえで、最大2,500万円の特別控除額を控除できます。2,500万円を超えた部分については、一律20%の贈与税が課されます。
なお、この制度を使って贈与した財産については、贈与者の相続発生時、つまり贈与者が死去した際には、相続財産に加算して相続税を支払うことになります。つまり、税金の支払いを相続時まで「先送り」できる制度ということになります。ただし、制度利用時に株価の評価額を固定できるため、将来的に株価が上昇した場合はメリットが大きくなります。
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4種類の譲渡パターンによる税金の違いとは?
株式の無償譲渡にかかる税金は、贈与者と受贈者がそれぞれ個人であるか法人であるかによって種類が異なってきます。
| 譲渡パターン | 贈与者に課される税金 | 受贈者に課される税金 |
| 贈与者:個人/受贈者:個人 | 非課税 | 贈与税 |
| 贈与者:個人/受贈者:法人 | みなし譲渡所得税 | 法人税(受贈益) |
| 贈与者:法人/受贈者:個人 | 法人税(寄付金) | 所得税(給与所得または一時所得) |
| 贈与者:法人/受贈者:法人 | 法人税(寄付金) | 法人税(受贈益) |
「贈与者:個人/受贈者:個人」の場合
贈与者に課される税金
個人が個人に株式を無償譲渡する場合、譲渡する側には税金はかかりません。株式を売却して利益を得ていれば譲渡所得税の課税対象となりますが、利益を得ていないため対象にならないのです。
受贈者に課される税金
個人が法人の役員や従業員の場合、先にも解説した通り、給与や賞与として譲渡することになるため、他の給与などと合算されて、給与所得として総合課税の対象となります。
また、給与所得とみなされることで、所得税・住民税だけでなく「社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)」の対象にもなる点に注意が必要です。社会保険料は法人と個人の折半となるため、受け取る個人だけでなく、譲渡した法人側にも新たな金銭負担が発生します。
役員や従業員“以外”の場合、無償で譲渡された株式は、「一時所得」として扱われることになります。(以下、元の「一時所得とは〜」に続く)
「贈与者:個人/受贈者:法人」の場合
贈与者に課される税金
個人のオーナー経営者が、自身が経営する同族会社などに株式を無償譲渡する場合、譲渡する側には「みなし譲渡所得税」が課されます。「みなし譲渡所得税」とは、金銭のやりとりがない場合でも、資産を時価で譲渡したものとみなして、譲渡益に対して所得税を貸すというものです。このことは、所得税法第59条に定められています。
なぜこのような規定があるかというと、個人から法人への株式譲渡が課税されないとなると、含み益のある株式をいったん同族法人に無償で譲渡して、その法人から売却させることで、個人段階でのキャピタルゲイン課税を不当に免れることができるためです。なお、キャピタルゲイン課税とは、株式や不動産などの資産を売約して得た利益に対して課される税金のことです。
みなし譲渡所得税の計算式は、通常の譲渡所得税の計算式と同じで、「譲渡所得×20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)」となります。譲渡所得は「譲渡価額(時価)-(取得費+譲渡費用)」で算出できます。
この計算式に当てはめて考えると、たとえば譲渡所得が500万円の場合、無償で株式を譲渡しているのに、500万円×20.315%=約101万6,000円もの税金を現金で納めなければならないということになります。
受贈者に課される税金
一方、株式を無償で譲渡された法人側は、その株式の時価相当額を「受贈益」として益金の額に算入させて、法人税を納める必要があります。
「贈与者:法人/受贈者:個人」の場合
贈与者に課される税金
法人が個人に対して資産を無償譲渡した場合、譲渡した紫檀の時価相当額が、税務上「寄付金」として扱われることになります。寄付金は、原則として損金に算入可能ですが、損金算入額には限度額が設けられているので注意が必要です。
譲渡する相手が役員や従業員の場合、「賞与(または給与)」として扱うと全額損金になる場合もありますが、それ以外の相手である場合、資本金の額や所得の金額に応じて定められた限度額までしか損金と認められません。限度額を超えて損金に算入できない部分に関しては、課税対象の所得から差し引くことができないため、結果的に法人税の負担が増えます。
受贈者に課される税金
法人から個人へ株式が無償譲渡された場合、法人と個人との関係性によって所得の種類が異なります。
個人が法人の役員や従業員の場合、先にも解説した通り、給与や賞与として譲渡することになるため、他の給料などと合算されて、給与所得として総合課税の対象となります。
役員や従業員“以外”の場合、無償で譲渡された株式は、「一時所得」として扱われることになります。一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得のことです。労務や役務の対価、資産の譲渡の対価とも異なる、一時的な所得ということになります。
一時所得の課税対象額は、次の計算式で算出します。
一時所得の課税対象額=(総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額50万円)×1/2
株式の無償譲渡の場合、支出した金額は0円なので、たとえば時価500万円の株式を譲り受けた場合、(500万円-0円-50万円)×1/2=225万円となり、この金額を給与所得などのその他の所得と合算して、総合課税の税額を決定することとなります。
「贈与者:法人/受贈者:法人」の場合
贈与者に課される税金
親会社から子会社へ、または関連会社間で株式を無償譲渡する場合、資産の時価相当額が寄付金として扱われます。前述の通り、寄付金の損金算入には限度額が設定されているため、全額を損金として処理することはできません。ただし、譲渡する法人と譲渡される法人が完全支配関係にある場合(100%の親子関係の場合)、寄付が「グループ法人税制」の対象となるため、全額損金算入が可能です。つまり、グループ全体でみると、税負担が発生していないということになります。
受贈者に課される税金
株式を無償で譲り受けた法人側では、株式の時価相当額が「受贈益」として損金の額に算入され、法人税の課税対象となります。ただし、前述の通り、完全支配関係にある法人間の取引であれば、「グループ法人税法」が適用されて、受贈益は全額益金不算入となるため、実質的には法人税の課税が発生していないと同じです。
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株式を無償譲渡するメリット・デメリットは?
続いては、株式を無償譲渡するメリット・デメリットをみていきましょう。
株式を無償譲渡するメリット
株式を無償譲渡する一番のメリットは、有償譲渡と比較して手続きが簡単なことです。
無償譲渡の場合、譲渡対象となる法人の事業・資産の変更や、特別な条項がない限り、契約先の同意なども必要ありません。これに対して有償譲渡の場合、たとえばM&Aであれば、上場企業は株式公開買付が必要で、非常小企業は特定の株主との直接交渉が必要になります。
また、株式を譲渡したい企業が不採算事業や赤字事業を抱えており、廃業を余儀なくされている場合、会社存続・雇用維持のために無償で株式譲渡をおこなうことがあります。これによって廃業を免れることができるたけでなく、譲渡費用も発生しません。
株式を無償譲渡するデメリット
株式を無償譲渡する第一のデメリットは、贈与者側が売却対価を得られないことです。
また、ここまで解説してきた通り、ほとんどのケースにおいて、贈与者にも受贈者にも税金が課されることもデメリットといえます。
株式を譲渡する側が不採算事業や赤字事業を抱えている場合に関しては、譲渡される側からすると、資産だけでなく負債を引き継ぐ可能性があることがデメリットといえます。
株式を無償譲渡する流れは?
株式を無償譲渡する場合、次の流れに沿って手続きを進めていきます。
譲渡承認請求をおこなう
株主総会・取締役会で承認を得る
決議された内容を通知する
無償譲渡契約を交わす
株主名義を書き換える
それぞれ詳しく解説していきます。
譲渡承認請求をおこなう
中小企業の株式には、譲渡制限が設けられているケースが多いです。そのため、まずは会社法の定めに従って、発行会社に譲渡承認請求をおこないます。なお、株式譲渡は無償の場合も有償の場合も、口約束のみでも契約が成立しますが、譲渡の条件や両者の権利義務関係が明らかでないとトラブルにつながる可能性があるため、請求をおこなうと同時に、株式譲渡契約書を締結することが望ましいといえます。
株主総会・取締役会で承認を得る
譲渡承認請求を受けた会社で、承認手続きを進めます。取締役会設置会社の場合は取締役会で、設置していない会社の場合は株主総会で承認を得ることになります。ただし、取締役会を設置していても、特段の定めがあれば、株主総会が承認することがあります。なお、承認を得る際の議事録を残しておくと、トラブル発生時に役立ちます。
決議された内容を通知する
株式会社または取締役会での承認・不承認は、承認請求日から2週間以内に通知されます。期限内に通知がない場合、承認されたものとみなして、契約自由の原則に沿って、当事者のみで譲渡契約を交わして構いません。
無償譲渡契約を交わす
承認された場合、もしくは承認されたとみなすことができる場合、正式に譲渡契約を結び、株式譲渡を実行します。この際、誰から誰へ・どの種類の株を・何株譲渡するのかを記した「株式贈与契約書」を用意します。契約書には、譲渡に伴い対価が発生していない旨も記します。
併せて、譲渡後のトラブルに備えた条項も定めておくことが大事です。なぜかというと、株主名簿の書換間違い、株主の二重譲渡などが発覚する場合があるためです。そのため、そうした場合の損害請求について明確にしておきます。
株式譲渡契約書に記載する内容
株式譲渡契約書の内容は当事者の話し合いによって決まります。
ただし、トラブル防止のためにも、次の3点については必ず記載しておくことをおすすめします。
株主名義を書き換える
株主の氏名、住所、株式保有数、株券番号を一覧にした株主名簿を書き換えます。株券の発行会社で株券交付を完了していれば、株主名簿は単独で書き換えることができます。株券不発行の場合、無償譲渡の贈与者と受贈者が共同で書換する必要があると、会社法によって定められています。
無償譲渡においては株式の対価交付がないため、株主名簿の書換が客観的な証拠として重要な役割を果たします。そのため、株主名簿を作成していない会社は、証券代行会社に依頼して株主名簿管理人を置くことなどを検討するといいでしょう。
株式の無償譲渡の注意点
株式を無償譲渡するにあたっては、次の点に注意することが大切です。
それぞれ詳しく解説していきます。
契約内容をよく確認する
無償での株式譲渡においては、契約自由の原則に基づいて、当事者間で譲渡に関する条件を決めことになります。その際、契約内容の有効性や手続きの正当性についてもきちんと確認することが不可欠です。
契約内容が有効であるのか、手続きに問題がないかなどを判断できない場合は、専門家に相談することがおすすめです。
株券発行会社の場合、株券の「交付」がなければ譲渡は無効
定款において株券発行会社であると定められている会社の場合、株式譲渡の効力を発生させるためには、株券を現実に「交付(手渡し等)」しなければなりません。
契約書を交わし、株主名簿を書き換えたとしても、株券の交付がなければ法律上、譲渡は無効となります。過去に株券を発行していない会社であっても、この機会に正式に発行・交付するか、または定款を変更して「株券不発行会社」へ移行する手続きをとる必要があります。M&Aや承継後に「株主ではない」と否認されるリスクを避けるため、必ず確認してください。
非上場株式の場合、時価を計算する必要がある
非上場株式には市場が存在しないため、時価がいくらになるのか計算する必要があります。計算には専門的知識が不可欠であるため、税理士などの専門家への相談が欠かせません。
税金の申告・納付期限を守る
無償譲渡によって発生した税金には、明確な申告・納付期限があります。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が課されるため、以下のスケジュールを把握しておきましょう。
特に、個人の場合は翌年の3月15日までに現金を用意する必要があるため、早期の資金準備が重要です。
できれば専門家に相談する
契約内容の有効性や手続きの正当性や、非上場株式の時価について専門家に確認してもらうといいのは前述の通りですが、「株式を無償譲渡する以外の選択肢はあるのか」などについて知りたい場合も、専門家を頼るのが一番です。
自社・自身の状況に合わせた最適な選択を目指そう
株式の無償譲渡には、先に解説した通り、メリットもあればデメリットもあります。譲渡対象やそのほかの条件などによっては、無償譲渡以外の選択をしたほうがいい場合もあるので、無償譲渡にこだわらず、さまざまな選択肢にも目を向けて最適な選択を目指してくださいね。
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この記事は、時点の情報を元に作成しています。
ジョブカンM&A ジョブカンM&A編集部
ジョブカンM&Aは、株式会社DONUTSが運営するM&Aアドバイザリーサービスです。主に企業の事業承継、成長戦略、出口戦略(イグジット)といった多様なニーズに応えることを目的としています。最大の特徴は、累計導入社数20万社以上を誇るバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」の広範なネットワークを活用している点です。この強力な顧客基盤を生かし、効率的なマッチングを実現します。
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