【個人版事業承継税制】計画提出は2028年9月末まで延長 — 贈与税・相続税ゼロのチャンス

「個人版事業承継税制」とは、個人事業主が所有している「特定事業用資産」にかかる贈与税・相続税の納税を猶予・免除することによって、事業(ただし不動産賃貸業などを除く)を引き継ぐ後継者の税負担を大幅に軽減する制度です。この制度を活用することによって、個人事業主の事業承継のハードルを下げることが叶いますが、制度を活用するためには、2028年9月30日までに、「個人事業承継計画」を"先代事業者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県庁"に提出しなければなりません。

※令和7年(2025年)12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」により、当初の期限(2026年3月31日)から2年6か月延長され、2028年9月30日までとなりました。

なお、本制度は親族間だけでなく、従業員や第三者(M&A)への承継も対象となります。

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目次
  1. 「個人版事業承継税制」とは?
    1. 「特定事業用資産」とは?
    2. 第三者承継(M&A)で活用する場合の注意点
  2. 「個人版事業承継税制」制度設立の背景
    1. 「個人版事業承継税制」と「法人版事業承継税制(特例措置)」の違い
  3. ≪贈与の場合≫「個人版事業承継税制」の適用を受けるための要件
    1. 後継者である受贈者の主な要件
    2. 先代事業者等である贈与者の主な要件
      1. 贈与者が先代事業者である場合
      2. 贈与者が先代事業者以外の場合
    3. 担保提供
  4. ≪相続の場合≫「個人版事業承継税制」の適用を受けるための要件
    1. 後継者である相続人等の主な要件
    2. 先代事業者等である被相続人の主な要件
      1. 被相続人が先代事業者である場合
      2. 被相続人が先代事業者以外の場合
    3. 担保提供
  5. 「個人版事業承継税制」の手続きの流れ
    1. 「個人事業承継計画」を作成する
    2. 「認定経営革新等支援機関」に所見を記載してもらう
    3. 都道府県知事に「個人事業承継計画」「認定申請」を提出する
    4. 贈与または相続または遺贈をおこなう
    5. 認定申請を受ける
      1. 贈与の場合
      2. 相続または遺贈の場合
    6. 税務署に申告
      1. 贈与の場合
      2. 相続または遺贈の場合
    7. 税務署に「継続届出書」を提出する
  6. 「個人版事業承継税制」の期限延長についてー【令和8年度税制改正により期限が延長されました】
    1. 延長の経緯と背景
    2. 今後の制度の行方
    3. 過去の延長の理由
  7. 「個人版事業承継税制」活用のメリット
  8. 「個人版事業承継税制」活用のデメリット
    1. 期限への注意が必要
    2. 承継中止のリスク
    3. 継続的な報告義務
  9. 事業承継の相談はジョブカンへ

「個人版事業承継税制」とは?

「個人版事業承継税制」は、青色申告にかかる事業をおこなっていた事業者の後継者として、「円滑化法」の認定を受けた者を対象とする制度です。

「円滑化法の認定を受けた者」とは、「経営承継円滑化法」に基づいて、都道府県知事の正式な認定を受けた後継者などを意味します。認定を受けるためには認定を申請する必要がありますが、申請方法などについては後述します。

認定を受けた者が、個人の「特定事業用資産」を贈与または相続などによって取得した場合において、その「特定事業用資産」にかかる贈与税・相続税について、一定の案件のもとで納税が全額猶予されて、さらに後継者の死亡などの一定の事由がある場合、「個人版事業承継税制」の適用となり、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除されます。

なお、「個人事業承継計画」の提出は2028年9月30日までにおこなう必要がありますが、贈与または相続によって「特定事業用資産」を取得した(取得する)時期は、2019(平成31)年1月1日から2028(令和10)年12月31日までとされています。

つまり、現時点ですぐに承継の手続きをはじめなくても、将来的に承継する予定であるなら、今のうちに必要な手続きをとっておくことによって、納税の猶予や免除を受けることができるということです。

ただし、先代事業者と生計を一にする親族からの贈与・相続については、この期間内かつ、先代事業者からの贈与・相続などの開始日から1年を経過する日までにおこなわれたことが条件とされています。

「特定事業用資産」とは?

「特定事業用資産」とは、贈与者・被相続人である先代事業者が事業をおこなうために所有していた資産のうち、次のア、イ、ウに該当するもので、かつ、贈与または相続をおこなった年の前年分の事業所得にかかる青色申告書の貸借対象業に計上されていたものを指します。

ア宅地等(400平米まで)
イ建物(床面積800平米まで)
ウイ以外の減価償却資産で次のもの
・固定資産税の課税対象とされているもの
・自動車税・軽自動車税の営業用の標準税率が適用されるもの
・その他一定のもの(一定の貨物運送用および乗用自動車、乳牛・果樹などの生物、特許権などの無形固定資産)

参照:国税庁「個人版事業承継税制」

参照:国税庁「個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし

第三者承継(M&A)で活用する場合の注意点

本税制は、親族以外の第三者が後継者となる場合も適用可能です。ただし、M&Aで一般的な「事業譲渡(有償での売買)」には適用されません。あくまで「贈与」によって資産を引き継ぐ場合に、その贈与税が猶予される仕組みです。親族外への贈与は通常、高い税率が課されますが、本税制を活用することで実質的に無税で事業用資産を引き継げるため、M&Aのスキーム検討において極めて強力な選択肢となります。

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「個人版事業承継税制」制度設立の背景

「個人版事業承継税制」は、前述の通り、2019(平成31)年1月1日以降の贈与・相続に適用される制度です。それ以前から、「法人版事業承継税制」は存在していましたが、追って、「個人版事業承継税制」が立ち上げられた形です。

では、なぜ「個人版事業承継税制」が別途立ち上げられることになったかというと、「法人版事業承継税制」は“会社の株式を承継する場合のみ”を対象とした制度で、法人化していない個人事業主が活用することができなかったためです。

後述しますが、個人事業主と法人とでは、承継するものにこうした違いがあることなどから、「個人版事業承継税制」と「法人版事業承継税制」には適用要件などに違いがあります。

なお、「法人版事業承継税制」が設立された理由は、後継者が税金を払えないことから事業承継が叶わない中小企業を少しでも減らすためです。どういうことかというと、中小企業の事業承継においては、経営者が所有している株式の所有権を後継者に移す際、多額の税金がかかるため、スムーズに事業承継を進められない企業が多いことが、かねて問題視されていたのです。

そこで、まずは2008(平成20)年、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)」が施工されて、翌年の2009(平成21)年に「非上場株式等についての贈与税の納税猶予」「非上場株式等についての相続税の納税猶予」が創設されました。

しかし、これら2つの従来措置では、猶予割合や株式数などに制限があったことから、2018(平成30)年、新たに「非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例」「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例」が施工され、翌年1月1日以降の贈与・相続に適用されることになったという流れです。

さらに、特例が新設されても、法人版事業承継税制では個人事業主の事業承継をサポートできなかったことから、「個人版事業承継税制」が創設されたということになります。

参照:e-GOV法令検索「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」

「個人版事業承継税制」と「法人版事業承継税制(特例措置)」の違い

「個人版事業承継税制」と「法人版事業承継税制(特例措置)の違いは次の表の通りです。

個人版事業承継税制 法人版事業承継税制(特例措置)
事前の計画策定 「個人事業承継計画」の提出
※2019年4月1日から2028年9月30日まで
「特例承継計画」の提出
※2018年4月1日から2027年9月30日まで
適用期限 10年以内の贈与・相続など
※2019年1月1日から2028年12月31日まで
10年以内の贈与・相続など
※2018年1月1日から2027年12月31日まで
対象資産 特定事業用資産 非上場株式等
納税猶予割合 100% 100%
承継パターン 原則、先代1人から後継者1人
※一定の場合、同一生計親族等からも可
複数の株主から最大3人の後継者
贈与要件 その事業にかかる特定事業用資産の全てを贈与すること 一定数以上の株式等を贈与すること
※後継者1人の場合、原則として2/3以上など
雇用確保要件 雇用要件なし あり(特例措置は弾力化)
経営環境変化に対応した減免等 あり
※後継者が重度障害等の場合は免除
あり
円滑化法認定の有効期限 最初の認定の翌日から2年間 最初の申告期限の翌日から5年間

参照:国税庁 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし P6

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≪贈与の場合≫「個人版事業承継税制」の適用を受けるための要件

「個人版事業承継税制」の適用となるためには、次の要件を満たしている必要があります。

後継者である受贈者の主な要件

・贈与の日において18歳以上であること
・円滑化法の認定を受けていること
・贈与の直前において、特定事業用資産に係る事業(同種・類似の事業等を含みます)に従事していたこと
・贈与税の申告期限において、開業届出書を提出して、青色申告の承認を受けていること
・特定事業用資産に係る事業が、「資産管理事業」および性風俗関連特殊営業に該当しないこと

なお、「資産管理事業」とは、有価証券、自ら使用していない不動産、現金・預金等の特定の資産の保有割合が特定事業用資産の事業に係る総資産の総額の70%以上となる事業(資産保有型事業)や、これらの特定の資産からの運用収入が特定事業用資産にかかる事業の総収入金額の75%以上となる事業(資産運用型事業)をいいます

先代事業者等である贈与者の主な要件

贈与者が先代事業者である場合

・廃業届出書を提出していることまたは贈与税の申告期限までに提出する見込みであること
・贈与の日の属する年、その前年およびその前々年の確定申告書を青色申告書により提出していること

贈与者が先代事業者以外の場合

・先代事業者の贈与または相続開始の直前において、先代事業者と生計を一にする親族であること
・先代事業者からの贈与または相続後に特定事業用資産の贈与をしていること
※ただし、先代事業者からの贈与または相続開始の日から1年を経過する日までの贈与に限る

担保提供

納税が猶予される贈与税額および利子税の額に見合う担保を税務署に提供する必要があります

参照:国税庁 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし P2

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≪相続の場合≫「個人版事業承継税制」の適用を受けるための要件

「個人版事業承継税制」の適用となるためには、次の要件を満たしている必要があります。

後継者である相続人等の主な要件

・円滑化法の認定を受けていること
・相続開始の直前において、特定事業用資産にかかる事業(同種・類似の事業等を含みます)に従事していたこと(ただし、先代事業者等が60歳未満で死亡した場合を除きます)
・相続税の申告期限において、開業届出書を提出して、青色申告の承認を受けていること(見込みを含みます)
・特定事業用資産にかかる事業が、資産管理事業および性風俗関連特殊営業に該当しないこと
※なお、「資産管理事業」とは、有価証券、自ら使用していない不動産、現金・預金等の特定の資産の保有割合が特定事業用資産の事業に係る総資産の総額の70%以上となる事業(資産保有型事業)や、これらの特定の資産からの運用収入が特定事業用資産にかかる事業の総収入金額の75%以上となる事業(資産運用型事業)をいいます
・先代事業者等から相続または遺贈によって財産を取得した者が、特定事業用宅地等について小規模宅地等の特例の適用を受けていないこと
※「小規模宅地等の特例」とは、相続等によって取得した宅地等のうち、非相続人または非相続人と生計を一にしていた非相続人の親族の事業用あるいは居住用に供されていた一定の宅地等について、一定の面積までの部分について、そのぶんの相続税の課税価格を減額する特例です。

先代事業者等である被相続人の主な要件

被相続人が先代事業者である場合

・相続開始の日の属する年、その前年およびその前々年の確定申告書を青色申告書により提出していること

被相続人が先代事業者以外の場合

・先代事業者の相続開始または贈与の直前において、先代事業者と生計を一にする親族であること
・先代事業者からの贈与または相続後に開始した相続にかかる被相続人であること

担保提供

納税が猶予される相続税額および利子税の額に見合う担保を税務署に提供する必要があります。

参照:国税庁 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし P6

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「個人版事業承継税制」の手続きの流れ

「個人版事業承継税制」を活用するためには流れで手続きを進める必要があります。

  • 1. 「個人事業承継計画」を作成する
  • 2. 「認定経営革新等支援機関」に所見を記載してもらう
  • 3. 都道府県庁に「個人事業承継計画」」「認定申請」を提出する
  • 4. 贈与または相続または遺贈をおこなう
  • 5. 認定申請を受ける
  • 6. 税務署に申告
  • 7. 税務署に「継続届出書」を提出する
  • 「個人事業承継計画」を作成する

    後継者が「個人事業承継計画」を作成します。「個人事業承継計画」には、後継者の氏名や事業承継の予定時期、承継時までの経営見通しや承継の事業計画などを記載します。

    なお、「個人事業承継計画」の様式は、中小企業庁の下記ページをご参照ください。

    参照:中小企業庁「-経営承継円滑化法-【個人事業承継税制の前提となる経営承継円滑化法の認定申請マニュアル】令和7年7月改定版」p.10

    「認定経営革新等支援機関」に所見を記載してもらう

    「個人事業承継計画」を作成したら、内容に問題がないか「認定経営革新等支援機関」に確認してもらい、指導および助言を受けます。「認定経営革新等支援機関」とは、中小企業が安心して経営相談などに乗れる専門知識や実務経験を有していることを国が認定している公的な支援機関のことです。具体的には、商工会や商工会議所などの中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士などが認定されています。

    都道府県知事に「個人事業承継計画」「認定申請」を提出する

    先代事業者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県庁に、「個人事業承継計画」および(個人版事業承継税制の)「認定申請」を提出します。

    ※この提出期限は、2028年9月30日となっています。

    贈与または相続または遺贈をおこなう

    2028年12月31日までに、贈与または相続または遺贈をおこないます。

    認定申請を受ける

    贈与の場合

    贈与年の10月15日から翌年1月15日までの間に、都道府県庁に認定を申請します。その際、「個人事業承継計画」を添付します。

    相続または遺贈の場合

    相続開始日の翌日から8か月以内に、都道府県庁に認定を申請します。ただし、相続開始日の翌日から5か月を経過する日以降の期間に限ります。認定申請時には「個人事業承継計画」を添付します。

    税務署に申告

    贈与の場合

    贈与年の翌年3月15日までに認定書の写しとともに、贈与税の申告書などを提出します。

    相続または遺贈の場合

    相続開始日の翌日から10か月以内に認定書の写しとともに、相続税の申告書などを提出します。

    税務署に「継続届出書」を提出する

    申告期限後は、管轄の税務署に対して、3年に1回、「継続届出書」を提出する必要があります。

    参照:中小企業庁「-経営承継円滑化法-【個人事業承継税制の前提となる経営承継円滑化法の認定申請マニュアル】令和7年7月改定版」p.7-8

    まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

    ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。

    「個人版事業承継税制」の期限延長についてー【令和8年度税制改正により期限が延長されました】

    「個人版事業承継税制」は、2019年に創設された当初、「個人事業承継計画」の提出期限は2023年3月31日、贈与または相続または遺贈の実行は2024年3月31日までとされていました。しかし、後に税制改正によって、先に解説したとおり、計画書の提出期限が2026年3月31日、贈与または相続または遺贈の実行期限が2028年12月31日にまで延長されています。

    さらに、令和7年(2025年)12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」により、個人事業承継計画の提出期限が2年6か月延長され、2028年9月30日までとなりました。

    延長の経緯と背景

    今回の延長の背景には、以下のような理由があります。
    ・経営者の年齢ピークが、制度創設当時の60代後半から50代後半に若返り、事業承継は一定程度進んでいるものの、未だに70代以上の経営者が多く存在していること
    ・適用期限(2028年12月31日)が到来するまでの間、本制度を最大限に活用できるようにするため
    ・円滑な世代交代を通じた生産性向上という課題を解決するため

    【現在の期限】
    ・個人事業承継計画の提出期限:2028年9月30日
    ・実際の事業承継(贈与・相続)の実施期限:2028年12月31日(延長なし)

    今後の制度の行方

    令和8年度税制改正大綱では、適用期限到来後のあり方については、世代交代の停滞や地域経済の成長への影響に係る懸念に加えて、本措置の適用状況や課税の公平性等の観点も踏まえて多角的な検討を行い、令和9年度税制改正において結論を得るとされています。

    そのため、現時点では「計画提出期限」は延長されましたが、「適用期限(事業承継実施期限)」は延長されていないため、2028年12月31日までに実際の事業承継を完了する必要があります。

    過去の延長の理由

    過去に延長された理由は、「制度の利用が想定より進まなかったため」とされています。廃業防止を目的に創設された制度であったものの、実務上のハードルが高く、活用する人が想定以上に少なかったのです。

    どういった点が「ハードルが高い」かというと、対象資産が限定的であることや、帳簿管理・報告義務、後継者が事業承継を取り消すかもしれないというリスクなどが挙げられます。また、2020年以降はコロナ渦の影響によって、事業継続の不安定化、業績悪化、承継判断の先送りなどが多かったことも大きな原因だと考えられます。

    「個人版事業承継税制」活用のメリット

    「個人版事業承継税制」を活用する最大のメリットは、「贈与税や相続税の支払いを猶予あるいは免除してもらえる」ことです。

    もちろん、「猶予」の状態では、支払わなくてもよい期間があるというだけで支払い義務自体はありますが、一定の事由がある場合は「免除」となります。また、猶予となった場合でも、後継者が十分な資金を持っていない場合の、納税による資金繰りの悪化を回避できるというメリットは大きいといえます。本来であれば、すぐに支払わなければならないお金を事業の運営に回すことができるので、そのぶん余裕を持って事業を運営していくことができます。

    また、先代事業者目線でいうと、後継者の負担が軽減されることから、十分に資金を持っていない後継者候補にも打診することができることがメリットになります。

    さらに、親族外承継(M&A等)においては、本来発生する重い贈与税負担を回避できるため、買収資金を抑えたい後継者(買い手)にとって非常に有利な条件となります。

    【令和8年度税制改正により、計画提出期限が2028年9月30日まで延長されたことで、より余裕を持って準備できるようになりました。】

    「個人版事業承継税制」活用のデメリット

    一方のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

    期限への注意が必要

    計画提出期限は2028年9月30日まで延長されましたが、実際の事業承継(贈与・相続)の実施期限は2028年12月31日のままで延長されていません。そのため、計画提出から実際の承継までの期間をしっかり計算して準備する必要があります。

    承継中止のリスク

    認定申請から数か月先などに事業承継するケースなどにおいては、後継者が「やっぱり承継しない」と手のひらを返してしまう可能性が無きにしも非ずです。その場合、原則として納税猶予が打ち切られて、猶予されていた贈与税・相続税+利子税を納付することになります。また、結果的に廃業した場合にも、猶予税額の全額+利子税を納付することになります。ただし、後継者が死去したことによって事業承継後の経営が成り立たなくなった場合などは、猶予税額は免除となります。

    継続的な報告義務

    税務署に対して3年に1回「継続届出書」を提出する必要があるなど、継続的な管理負担があります。

    事業承継の相談はジョブカンへ

    「個人版事業承継税制」の活用について知りたいことがある場合、あるいは事業承継そのものについてわからないことがある場合、商工会や商工会議所などの中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士などに相談することがおすすめです。

    令和8年度税制改正により、個人事業承継計画の提出期限が2028年9月30日まで延長されたことで、以前よりも余裕を持って準備を進めることができるようになりました。しかし、実際の事業承継の実施期限(2028年12月31日)は延長されていないため、計画的な準備が重要です。

    「今から手続きを開始して、確実に制度を活用したい」という場合は、プロに頼るのが一番! ジョブカンでも、目標達成のために役立つ専門家の紹介やアドバイスをおこなっているので、まずは気軽にお問い合わせください。

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    ジョブカンM&A ジョブカンM&A編集部

    ジョブカンM&Aは、株式会社DONUTSが運営するM&Aアドバイザリーサービスです。主に企業の事業承継、成長戦略、出口戦略(イグジット)といった多様なニーズに応えることを目的としています。最大の特徴は、累計導入社数20万社以上を誇るバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」の広範なネットワークを活用している点です。この強力な顧客基盤を生かし、効率的なマッチングを実現します。


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