「商工会議所」はほとんどの人が耳にしたことがある言葉だと考えられますが、どんな組織であるのかを詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、商工会議所とはどんな組織であるのかについて詳しく解説していきます。また、混同されがちな「商工会」との違いや、入会することのメリットなども解説していきます。
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商工会議所とは
商工会議所とは、各地域を拠点として、商工業の改善および発展のための活動をおこなっている会員制組織です。
業種や、企業・業者の規模を限定することなく、さまざまな分野の企業・業者が集まって、地域全体の商工業の振興と、社会一般の福祉の増進を目的に活動しています。
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商工会議所の主なミッション
商工会議所の会員は、各地域のさまざまな問題を解決するために、“地域経済社会の代弁者”として積極的に政策提言をおこない、その実現に向けて協力し合っています。とりわけ、地方創生をはじめとした課題の解決のためには、地域のネットワークを最大限に活かすことが不可欠であることから、次の3つをミッションとして掲げて、日々、活動を展開しています。
それぞれ詳しくみていきましょう。
政策提言
下記の実践を通して、地域経済社会の代弁者として政策を提言しています。
中小企業の活力強化
中小企業の挑戦を後押しすべく、下記のような支援・育成をおこなっています。
地域経済の活性化
地域の力を再生させる取り組みとして、下記のような支援・取り組みを実践しています。
参照:農林水産省 日本商工会議所「商工会議所とは(2021年4月現在)」
事業承継・M&A支援による第三者承継の促進
商工会議所は、親族内承継が困難な中小企業に対し、第三者への事業引継ぎ(M&A)を強力にバックアップしています。多くの商工会議所には、国から委託を受けた「事業承継・引継ぎ支援センター」の窓口が併設されており、以下のような実務的な支援をワンストップで行っています。
売り手側のメリット: 「廃業しか道がない」と考えている経営者に対し、企業の強みを再発掘し、全国の買い手候補とマッチングを行います。公的機関であるため、仲介手数料が抑えられるケースが多く、守秘義務が徹底された環境で専門家に無料相談できるのが最大の特徴です。
買い手側のメリット: 商工会議所のネットワークを通じて、通常では表に出ない地域の優良な譲渡案件情報にアクセスできる可能性があります。また、買収後のPMI(経営統合)や販路開拓についても、商工会議所の継続的な経営支援を受けられるため、買収後のリスク軽減にも繋がります。
このように、地域の産業基盤を守るための「第三者承継」は、現在の商工会議所が最も注力しているミッションの一つとなっています。
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商工会議所の歴史・現在
商工会議所の思想的・歴史的母体となる組織は、中世ヨーロッパで生まれています。日本における商工会議所の歴史は、1878(明治11)年にはじまっています。この年、東京、大阪、神戸の3箇所に商工会議所が設立されていますが、その目的は、江戸時代にアメリカ合衆国、オランダ、ロシア帝国、イギリス、フランスなどと締結した「貿易に関する不平等条約」を撤廃することでした。
まず設立されたのは「東京商工会議所」で、英国の商工会議所に倣って、「加入・脱退自由」「会員会費によって運営」という形で運営がスタートしています。その後、1892(明治25)年には、15か所の商工会議所が、自分たちの連合体として「商工会議所連合会」を結成。これが、現在の「日本商工会議所」で、現在では、「日本商工会議所」は商工会議所法に基づく認可法人の位置づけとなっています。
なお、2023年4月時点における国内の商工会議所の数は515です。内訳としては、日本商工会議所が全国に1つ、都道府県規模の商工会議所である「都道府県商工会議所連合会」がある都道府県とない都道府県があり、その下の地域の商工会議所が全国に500程度存在するということになります。
都道府県商工会議所連合会は、各都道府県内の商工会議所の要望をまとめて、県庁・県議会に政策を提言したり、補助金・支援施策の調整、産業振興策への協力をおこなったり、合同セミナーをはじめとする共同事業の実施をおこなったりしています。
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「日本商工会議所」と各地域の商工会議所の役割比較
「日本商工会議所」と全国各地に存在する、地域の商工会議所との役割の違いは次の表の通りです。
| 項目 | 日本商工会議所 | 各地の商工会議所 |
| 組織の位置づけ | 全国に1つだけの中央組織 | 市区町村単位の地域組織 |
| 主な相手 | 国(政府・省庁・国会) 海外の経済団体 |
地元企業・個人事業主 自治体(市町村) |
| 主な役割 | 全国の意見集約 政策提言・要望活動 |
経営支援・相談対応 地域経済の活性化 |
| 政策への関与 | 税制・規制・労働・通商など 国レベルの制度設計に関与 |
地方施策への意見提出 国施策の現場運用 |
| 会員との距離 | 直接の個別支援はしない | 会員と日常的に接する |
| 主な事業 | 提言書作成 全国調査・白書 国際経済交流 |
経営相談 補助金支援 記帳・融資・人材支援 |
| 国際対応 | 海外商工会議所との連携 国際会議への参加 |
輸出支援・海外展開支援(実務) |
| 会費の徴収 | 原則なし(直接集めない) | 会員から会費を徴収 |
| 一言でいうと… | 「経済界の国会代表」 | 「地域の経営サポーター」 |
つまり、地域の商工会議所の役割としては、「現場の声を集めて、企業を支えること」となり、日本商工会議所は、集まった声を国レベルの政策に変換していく役割を担っています。
商工会議所の会員企業の構成比
前述の通り、商工会議所は、あらゆる業種・規模の企業などで構成されています。業種別にみると、2020年度時点では「卸売・小売業」「建設業」「製造業」の割合が高く、企業規模別の数を見ると、大企業数が約1.1万社、中小企業数が約357.8万社となっています。
参照:農林水産省 日本商工会議所「商工会議所とは(2021年4月現在)」
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「商工会議所」と似ている? 「商工会」とは
商工会議所と混同されがちな組織に「商工会」があります。
商工会とはどのような組織かというと、業種不問で地域の事業者が会員となって、お互いの事業の発展や地域の発展のために活動している団体です。商工会の会員事業者数は全国で約78万事業者です。
また、国や都道府県の小規模企業施策の実施期間としての役割も担っており、小規模事業者を支援するためにさまざまな事業を展開しています。
なお、商工会は、「商工会法」に基づいて、主に町村部に設立された公的団体で、2024(令和6)年4月1日時点で全国に1,620の商工会が存在しています。さらに、各都道府県には「商工会連合会」も存在します。商工会議所に関しては、都道府県によっては「都道府県商工会議所連合会」が存在するため、この点は似ているといえるでしょう。
また、「都道府県商工会議所連合会」の支部には、商工会議所が設立されていますが、商工会議所と商工会では組織運営面などに関して異なる点があります。なお、商工会の支部に商工会議所が設立されているとはどういうことかというと、わかりやすくいうと、別組織であるものの、現場では接点がある“横並びの仲間である”ということです。
商工会議所と商工会の違い
具体的にどのような違いがあるのかというと、次の表の通りです。
| 区分 | 商工会議所 | 商工会 |
| 根拠違法 | 商工会議所法 | 商工会法 |
| 管轄官庁 | 経済産業省 経済産業政策局 | 経済産業省 中小企業庁 |
| 地区 (商工会議所および他の商工会と地区は重複しません) |
原則として市の区域 | 主として町村の区域 |
| 全国に占める小規模事業者の割合 | 約8割 | 9割を超える |
| 事業 | 地域の総合経済団体として、中小企業支援のみならず、国際的な活動を含めた幅広い事業を実施 小規模事業施策(経営改善普及事業費)は、全事業費の2割程度 |
中小企業施策、特に小規模事業施策に重点を置いており、事業の中心は経営改善普及事業 |
| 設立要件 | 特定商工業者(※)の過半数の同意 ※従業員20人以上(商業・サービス業は5人以上)または資本金300万円以上の商工業者 また通達により管内商工業者数に応じた組織率、財政規模、専任職員数などの基準が定められている |
地区内の商工業者の2分の1以上が会員となること |
| 意思決定機関 | 議員総会(会員および特定商工業者から選挙された議員並びに部会等で選任された議員で構成。会員数に応じて議員数は30~150人) 1号議員:会員および特定商工業者から選挙(50%以上) 2号議員:部会所属会員から選任(35%以下) 3号議員:1号、2号議員以外から選任(15%以下) |
総会(すべての会員で構成) ただし会員数200人以上の場合は総代会を設置できる |
| 議決権(表決権)および選挙権 | 会員は部会において、議員は議員総会において1人1個の表決権を保有。選挙権は会費口数に応じて1人最高50票 | 総会の議決権・選挙権ともに1会員1個 |
また通達により管内商工業者数に応じた組織率、財政規模、専任職員数などの基準が定められている
地区内の商工業者の2分の1以上が会員となること
意思決定機関
議員総会(会員および特定商工業者から選挙された議員並びに部会等で選任された議員で構成。会員数に応じて議員数は30~150人)
1号議員:会員および特定商工業者から選挙(50%以上)
2号議員:部会所属会員から選任(35%以下)
3号議員:1号、2号議員以外から選任(15%以下)
総会(すべての会員で構成)
ただし会員数200人以上の場合は総代会を設置できる
議決権(表決権)および選挙権
会員は部会において、議員は議員総会において1人1個の表決権を保有。選挙権は会費口数に応じて1人最高50票
総会の議決権・選挙権ともに1会員1個
商工会議所と商工会の共通点・接点
上記のような違いがある一方で、商工会議所と商工会には共通点もあります。
まず、2つの組織が活動する目的はほぼ同じで、「中小企業や小規模事業者を支えること」であるといえます。
また、補助金や支援事業などの国・都道府県・市町村の施策に関して、都市部については商工会議所、町村部に関しては商工会という形で役割分担されていることが多いものの、制度設計としてはほぼ同じです。
さらに、小規模事業者持続化補助金、事業計画策定支援、事業承継・DX支援などに関する運用マニュアルや考え方も共通しており、市町村の枠を超えて、観光・物産PR、合同セミナー、災害時の事業者支援などをおこなう際は、2つの組織が共同で実施することも少なくありません。
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商工会議所に入会するメリット・デメリットは?
続いては、加入する側の視点で、商工会議所に入会するメリット・デメリットをみていきましょう。
商工会議所の入会金・年額会費
まず、商工会議所に入会するためには、入会金・年額会費が必要です。個人事業主と法人によって金額に違いがあり、地域によっても違いがありますが、東京商工会議所の場合は次の表の通りです。
| 個人事業主 | 法人(資本金:500万円未満) | 法人(資本金:1,000万円~3,000万円未満) | |
| 入会金 | 3.000円 | 3,000円 | 3,000円 |
| 年額会費 | 1万円以上 | 1万5,000円 | 4万5,000円 |
なお、入会金および年額会費は、経費処理において、全額、損金または必要経費に算入できます。
商工会議所に入会するメリット
続いて、商工会議所に入会するメリットは次の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
経営基盤を構築できる
商工会議所では、企業間の連携のためにセミナーや勉強会、研修会などのイベントを随時開催しています。参加すると、地域間連携を強化できる可能性があるため、経営基盤を固めていきたい会員にとってはメリットが大きいといえるでしょう。また、商工会議所内の専門家に経営相談することで、経営の課題解決が図れることや、福利厚生に関するサービスや研修を利用することが、従業員満足度の向上につながることも、経営基盤の構築・強化につながります。
販路を拡大できる
会員同士で事業内容を共有した結果、たとえばコラボレーションの話が進み、販路を拡大できることなどが考えられます。また、商工会議所によっては、会員専用のサイトが設けられており、自社の商品やサービスを掲載してもらえることもあるため、他の会員の目に触れたことがきっかけとなって、販路拡大につながる場合もあるでしょう。
会員限定の福利厚生が用意されている
健康診断や損害賠償保険、共済制度など、多岐にわたる福利厚生サービスが用意されています。小規模事業者の場合は特に、予期せぬ事態に備えられる保険が用意されていることによって得られる安心感は大きいといえるでしょう。
スキル向上のために研修やセミナーを受けられる
ビジネスマナーや専門知識に関するものまで、さまざまな分野の講座が用意されているため、利用することによってスキル向上を目指せます。なかには、無料プログラムや割引料金が適用となるものもあるため、経済的負担を軽減させながらスキルアップすることが叶います。
融資や補助金をスムーズに申請できる
会員専用の「マル経融資」や小規模事業者持続化補助金といった制度を利用すると、創業期や成長期の資金調達が容易になります。
なお、「マル経融資」とは、「小規模事業者経営改善資金」の通称で、商工会議所の経営指導を受けている小規模事業者が利用できる国の融資制度です。商工会議所からの推薦があれば、日本政策金融公庫から、無担保、無保証人で融資を受けることができます。
参照:日本政策金融公庫「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」
事業承継・M&Aの相談・マッチングができる
商工会議所は、国から受託して「事業承継・引継ぎ支援センター」を設置・運営しているケースが多く、M&Aの売り手・買い手双方にとって重要な拠点となります。売り手は後継者不在の悩みを専門家に無料(または実費)で相談でき、買い手は全国のネットワークから集まる譲渡案件情報の提供を受けることが可能です。民間の仲介会社に依頼する前の「最初の相談先」として活用できる点は、M&A検討層にとって大きなメリットです。
商工会議所に入会するデメリット
一方、商工会議所に入会するデメリットは次の通りです。
入会金、年額会費がかかる
前述の通り、入会金と年額会費がかかります。さほど高い金額ではないものの、費用対効果で考えると、人によっては入会するデメリットのほうが大きいと感じることもあるかもしれません。
イベントへの参加が負担になる場合がある
前述の通り、商工会議所では、企業間連携のためのセミナーや勉強会、研修会などのイベントを随時開催していますが、イベントに参加するために仕事の日時を調整しないとなると、負担が大きいと感じるかもしれません。また、任意参加ですが、イベント後の懇親会などへの参加を促されることもあるかもしれません。
会費の支払いが滞ると強制的に退会になる場合がある
会費の支払いが滞ると、強制的に退会になる場合があります。会費未払いが原因で退会となると、信頼性に悪影響が及ぶ可能性があるため、スケジュールを立てて計画的に支払うことが大切です。
利用したいサービスがない場合がある
商工会議所が提供しているサービス自体に魅力を感じない場合、入会する意味がほとんどないといえます。そのため、自社のニーズに合うサービスが用意されているかどうかについて、事前に確認することが大切です。
入会しなくても同様のサービスを受けられる場合がある
特に中小企業や個人事業主の場合、商工会議所の会員にならなくても、経営改善普及事業関連の支援を受けることができる場合があります。そのため、商工会議所の入会費用・年額会費を用意すること自体が無駄に思える場合があるかもしれません。
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商工会に入会するメリット・デメリットは?
続いては商工会の入会についてみていきましょう。
商工会の入会費用・年額会費
全国商工会連合会のホームページでは、商工会の入会費・会費について、「中小企業であれば、おおむね1か月あたり1,000円~2,000円程度です。会費基準は商工会によって異なりますので、地元の商工会にご確認ください」と記されています。
つまり、年額換算だと、12,000円~24,000円程度が目あすとなります。入会金については明記されていませんが、一般的な規模の商工会では、数千円程度であることが多いようです。
商工会に入会するメリット
商工会に入会するメリットは次の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
会員同士つながれることでビジネスチャンスを得やすい
同じ地域の事業者と自然につながることができます。個人事業主同士で意気投合した場合など、そこからビジネスチャンスが生まれる可能性も高いでしょう。
経営についての相談・指導が受けられる
経営・税務・労務・金融・取引にいたるまで、経営全般について相談することができます。経営指導員である「主任経営支援員」が商工会の窓口で相談に乗ってくれるか、または企業や事業所を巡回のうえ、相談および指導にあたってくれます。
融資相談・斡旋を受けられる
金融や信用保証に関する相談に乗ってもらえるほか、斡旋を受けられる場合もあります。商工会議所の会員同様、商工会からの推薦によって、日本政策金融公庫が無担保・無保証・低利で融資する「マル経融資制度」を利用することができます。
専門家を派遣してもらえる
新分野への参入、販売戦略、従業員教育などの幅広い分野に対して、相談内容に応じた専門家を派遣してもらええます。専門家から、実践的で適切な指導、・助言をもらえるため、自社の課題をいち早く解決しやすいといえます。
記帳指導・代行サポートを受けられる
帳簿のつけかたから決算、申告の仕方に至るまで教えてもらうことができます。希望によって、元帳作成などの記帳業務を代行してもらえる場合もあります。
労働保険の事務代行サポートを受けられる
労働保険に関する事務処理に困っている場合、商工会が運営・指導している労働保険事務組合に事務委託することも可能です。労災保険に加入できない事業主や家族従業員も、労災保険に特別加入できるというメリットもあります。
セミナーや研修会に参加できる
商工会議所同様、さまざまなセミナーや研修会を開催しているので、参加することによって、経営に必要な知識などを身に付けることができます。
共催、保険制度、退職金について相談できる
各種共済、保険制度、退職金制度が用意されており、利用方法などについて相談に乗ってもらえます。
行政情報をスピーディに入手できる
補助金、支援策、制度改正などの情報を、早く、確実に手に入れることができます。
商工会に入会するデメリット
商工会に入会するデメリットは次の通りです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
入会金や年会費がかかる
入会金や年会費がかかる点は、商工会議所とまったく同じです。年会費10,000円前後~20,000円前後であれば、所得によっては大きな出費だとは感じられませんが、人によっては、費用対効果を見いだせないこともあるかもしれません。
即効性は低め・関係構築に時間がかかる場合がある
入会したからといって、「売り上げがすぐに伸びる」などの支援を受けることはできません。また、ビジネスチャンスを求めて入会しても、すぐにチャンスをつかめない可能性があります。
IT・最新分野は弱い場合がある
EC・Webマーケ・スタートアップ系の支援の充実度に関しては、地域差が大きいといえます。
情報感度が高いと、提供されるサービスや支援を物足りなく感じる可能性が高い
前述の通り、商工会は主として町村の区域をカバーしている組織です。そのため、情報感度が高い人であれば、都市部で提供されるサービスや支援を比べて、物足りなさを感じる可能性があります。
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商工会議所と商工会、入会するならどっち?
商工会議所と商工会のどちらに入会すればいいか迷った場合の最初の判断軸は次の2つです。
事業所がある場所は?
├ 市・都市部 → 商工会議所
└ 町村・郡部 → 商工会
事業規模は?
├ 個人・小規模 → 商工会(特に相性◎)
└ 中小~中堅 → 商工会議所
さらに、会員層や提供するサービスなどの違いについては、次の比較表で表すことができます。
| 観点 | 商工会議所 | 商工会 |
| 会員層 | 中小企業~中堅企業 | 個人事業主・小規模事業者中心 |
| 会費 | やや高め(年2~5万円~) | 安い(年1~3万円程度) |
| 経営相談 | 制度説明・紹介型が多い | 超実務型・伴走型 |
| 補助金対応 | 強い・件数多め | 非常に強い |
| 記帳・税務 | 基本的な支援 | 手厚い |
| 人脈 | 異業種・広域 | 同業・近隣中心 |
| 政策提言 | 地方・国への発言力あり | ほぼなし |
| 雰囲気 | 組織的・フォーマル | 近い・やわらかい |
上記をもとに、商工会議所向きの人の特徴、商工会向きの人の特徴をピックアップすると次の通りです。
「商工会議所」向き
総合すると、「看板とネットワーク」を活かしたい人に向いているといえます。
「商工会」向き
総合すると、「困ったときにとりあえず相談できる場所がほしい」という人に向いているといえます。
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「商工会議所」「商工会」に関するFAQ
続いては、「商工会議所」「商工会」に関するよくある質問とその答えをみていきましょう。
Q. 商工会議所と商工会の両方に入会することはできますか?
原則として、商工会議所と商工会の両方に入会することはできません。なぜかというと、商工会議所と商工会は役割が重複する地域経済団体であるため、補助金・経営支援などの行政施策の窓口が二重になるのを防ぐために、片方のみの加入が原則とされているのです。もちろん、会費を払ったとしても両方に加入することはできません。
ただし、例外的に両方の組織への加入が認められているケースがあります。具体的には次のケースです。
本店は市で、支店は町村の場合などは、事業所単位で別加入することは認められています。
「農業+加工・販売」「観光業+別業態」など、性質などによってはっきりわかれている場合がこれに該当します。
正会員ではなく、情報提供や交流などのみを目的とした会員の場合、もう一方の組織の正会員になることができます。
ただし、両方に加入できたばあいであっても、補助金申請や公的支援に関しては、どちらか一方に一本化する必要があります。また、上記のパターンに該当する場合であっても、管轄の商工会議所および商工会に事前に確認することが必須です。
Q. 商工会議所にあるいは商工会に加入した場合、政治的な活動への参加を強制されることがありますか?
結論からいうと、商工会議所に加入した場合も、商工会議所に加入した場合も、政治的な活動への参加を強制されることはありません。なぜかというと、商工会議所は商工会議所法、商工会は商工会法に基づく制度であって、いずれも、特定の政党・候補者を支援する団体ではないためです。また、政治活動への参加義務を会員に貸すことが想定されていません。
そのため、選挙応援に駆り出されることもなければ、特定政党への支持表明を求められることや、デモや署名活動に参加させられることもありません。
ではなぜ、このような疑問がよくあるのかというと、特に商工会議所は「政策提言」を前面に打ち出しているためです。しかし、政策提言とは、租税改正要望や補助金制度の改善、中小企業政策の提案などを求めるものであって、国・自治体・官庁を相手に、経済団体としての意見を表明するものです。
そのため、特定の政党・候補者を支援する活動に関わることは一切ありません。
ただし、例外として、地方議員との経済懇親会や、行政トップとの意見交換会などの案内がくることはあります。もちろん、出席や発言は自由とされています。
Q.商工会議所・商工会の入会審査は厳しいですか?
商工会議所・商工会の入会審査はまったく厳しくありません。ただし、商工会議所・商工所ともに、「事業を実際におこなっているか」「事業所所在地が管轄エリア内であるか」「反社会的勢力ではないか」の3点に関しては実態が確認されることになります。
その結果、反社会的勢力・それに準ずると判断された場合や、明らかに公序良俗に反する事業である場合、管轄外エリアのみで事業をおこなっている場合、実体のないペーパーカンパニーである場合などは、入会が認められません。
なお、赤字の場合や借金がある場合も問題なく入会することができますし、変わった業種であっても、法令違反でなければ問題ないとされています。
Q. 商工会議所・商工会は簡単に退会できますか?
商工会議所・商工会ともに、退会手続きは簡単です。会員の自由意思による退会が前提なので、引き止められることもありません。ただし、年度途中で退会した場合、その年度分の会費については原則として返金されません。未納会費については、清算が必要です。なお、翌年度会費が発生しないように、年度末までに退会したい旨を届け出ることが条件とされている場合もあります。
商工会議所・商工会は「使い倒すと得!」
ここまで解説してきた通り、商工会議所・商工会ともに、会員にとってメリットがおおきいサポートやサービスを用意していますが、サポートやサービスの利用は任意なので、なかには、まったく活用できないまま会費を払い続けているだけの状態の会員もいるでしょう。一方、「困ったときには商工会議所・商工会に相談しよう」の精神で、サポートやサービスを利用しまくっている人は、“元が取れている”ということになります。とはいえ、サポートやサービスを使わなくても事業が軌道に乗ってくることもあるので、必ずしも利用したほうがいいというわけではありません。自社にとってはどちらの選択がベストであるのかがわからないという場合、まずは試しに一度加入してみるというのもありです。前述の通り、退会は簡単にできるので、お試し感覚で利用してみるといいかもしれませんね。
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ジョブカンM&A ジョブカンM&A編集部
ジョブカンM&Aは、株式会社DONUTSが運営するM&Aアドバイザリーサービスです。主に企業の事業承継、成長戦略、出口戦略(イグジット)といった多様なニーズに応えることを目的としています。最大の特徴は、累計導入社数20万社以上を誇るバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」の広範なネットワークを活用している点です。この強力な顧客基盤を生かし、効率的なマッチングを実現します。
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