PERの目安は何倍? 株初心者でも「割高・割安」を判断できる具体的な基準と活用法

株式投資で利益を得るためには、買った値段より高く売る必要があります。つまり、できるだけ“お得に”買うのが基本ということになりますが、どの株が割安であるのかの判断するためには「PER」が役立ちます。PERとは、多くの投資家が銘柄選びの参考にする指標ですが、「PERを見れば何がわかるのかがわからない」という人も多いでしょう。そこで今回は、「PER」について詳しく解説していきます。

まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

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目次
  1. PERとは
    1. PERの計算式
  2. PERの判断の目安は?
      1. プライム市場
      2. スタンダード市場
      3. グロース市場
  3. PERの基準が15倍である理由は?
    1. 過去の株式市場の平均PERが概ね14~16倍である
    2. PERが15倍のときの「益回り」が、「長期金利+株式リスクプレミアム」とほぼ同等である
    3. 「ゴードン成長モデル」で算出されるPERも15倍前後である
  4. M&A(非上場企業の売買)におけるPERの考え方は?
    1. 非上場企業は「流動性ディスカウント」がかかる
    2. 中小M&Aでは「年買法」が主流
  5. PERの確認方法は?
    1. 証券会社のwebサイトや取引ツールでの確認方法
      1. 証券会社のwebサイトや取引ツールで確認するメリット
    2. 一般的な株式情報サイトでの確認方法
      1. Yahoo! ファイナンス
      2. 日本経済新聞電子版>マーケット
      3. 株探(かぶたん)
  6. PBRとは?
    1. PBRの基本的な見方
      1. PBR=1倍
      2. PBR>1倍
      3. PBR<1倍
    2. PERとPBRを合わせて確認するといい理由は?
  7. ROEとは?
  8. PER、PBR、ROEの関係は?
  9. PERに関する疑問を解消する FAQ
    1. Q. 景気が悪化・変動しているときのPERについてはどう考えればいいですか?
    2. Q. 「PERが高い=割高」な株にはどのように投資するといいですか?
      1. 予想PERで判断する
      2. PEGレシオで成長とのバランスを見る
      3. 利益よりキャッシュフローを重視する
      4. 成長の質を確認する
      5. 投資期間を長めに設定する
      6. 分散投資・リスク管理を心がける
  10. PERを「物差し」として活用して、投資の第一歩を踏み出そう

PERとは

PERとは、「Price Earnings Ratio」の略称で、日本語では「株価収益率」と呼ばれる指標です。PERをチェックすることで何がわかるかというと、「現在の株価が、その会社の1株あたりの純利益(EPS)の何倍になっているか」です。つまり、「会社の“稼ぐ力(利益)”に対して、市場がどれだけの価格(株価)をつけているか」を表す指標ということです。

なお、「EPS」とは、「Earnings Per Share」の略称で、EPSも企業を評価する際に使われる指標の一つです。

PERの計算式

PERの計算式は次の通りです。

PER=株価÷1株あたりの純利益(EPS)

たとえば、株価が5,000円でEPSが250円の場合、PERは20倍ということになります。なお、EPSは「EPS=当期純利益÷発行済株式総数」の計算式で算出できます。

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PERの判断の目安は?

上記計算式によって算出したPERの数値は、高ければ高いほど割高で、低ければ低いほど割安ということになります。PERが高い企業は、成長が期待できる可能性が高いということになります。

どのくらいだと「高い」のかというと、基準となるのが15です。PERが15倍以上だと割高、15倍未満だと割安ということです。

ただし、PERの平均は業種によって異なるため、会社に成長を期待できるかどうかをより適切に判断するためには、同じ業種の平均PERや、その会社の過去のPERと比べる必要があります。

たとえば、2025年10月時点におけるプライム市場、スタンダード市場、グロース市場のPER平均値は次の通りです。

プライム市場 スタンダード市場 グロース市場
全体平均 17.5 14.5 41.3
水産・農林業 10.8 18.7 ―
建設業 16.2 11.7 25.7
食料品 19.4 18.5 70
医薬品 17.2 12.7 ―
精密機器 23.1 19.4 ―
情報・通信業 25.6 18.3 58.1
小売業 21.9 21.3 32.6
銀行業 12.2 9.5 ―
サービス業 19.5 15.4 30.9

参照:JPX 日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧」※2025年10月のエクセル

上記の通り、たとえばプライム市場でみると、「情報・通信業」「精密機器」は平均PERが高いことから、全体平均である17.5を上回っていても、業界内でみると期待値が高くない場合があるということになります。

なお、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の違いは次の通りです。

プライム市場

東証における最上位の市場。多くの機関投資家の投資対象になり得る規模の時価総額(流動性)を持っており、より高いガバナンス水準を備えている。経営が安定している企業が上場している

スタンダード市場

公開された市場における投資対象として一定の時価総額(流動性)を持っており、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備えている。中堅企業が上場している市場で、比較的規模が小さめ。プライム市場とグロース史上の中間的立ち位置

グロース市場

高い成長可能性を実現するための事業計画およびその進捗が適切に開示されていることから、一定の市場評価が得られている一方、事業実績の観点からすると相対的にリスクが高い企業向けの市場。つまり、ハイリスク・ハイリターンの傾向にある

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PERの基準が15倍である理由は?

PERの基準が15倍とされている背景には、次の3つの根拠があります。

  • 過去の株式市場の平均PERが概ね14~16倍である
  • PERが15倍のときの「益回り」が、「長期金利+株式リスクプレミアム」とほぼ同等である
  • 「ゴードン成長モデル」で算出されるPERも15倍前後である
  • それぞれ詳しく解説していきます。

    過去の株式市場の平均PERが概ね14~16倍である

    1つめの根拠は、過去の株式市場の平均PERが概ね14~16倍であることです。日本株(TOPIX、日経平均)の長期平均は約14~16倍、米国株(S&P500)の長期平均は約14~17倍で、長期的にみると、市場全体の平均PERは15倍前後に収束する傾向にあります。

    PERが15倍のときの「益回り」が、「長期金利+株式リスクプレミアム」とほぼ同等である

    「益回り」とは、1株あたりの純利益を株価で割ったもので、株価の割安性を表す指標とされています。「株式液利回り」「Earnings Yield」と表記されることもあります。

    参照:SMBC日興証券「株式益利回り」

    益回りは、PERの逆数(1/PER)であるため、PERが15倍のときは、1÷15=約6.6%ということになります。この6.6という数字は、長期金利(1~2%)と株式リスクプレミアム(4~5%)を合算した数字の平均と近いことから、理論的にいって「普通の状態」の株価水準ということになります。

    なお、なぜ長期金利と株式リスクプレミアムを合算するかというと、投資家が株式に投資する際、「安全資産の利回り(=金利)」に、価格変動リスクを負う対価としての「上乗せ報酬(=リスクプレミアム)」を求めるためです。つまり、「株価の期待収益率=リスクのない収益率+リスクをとるための追加リターン」ということになりますが、この計算式で算出された数値が益回りとほぼ同等であることから、PER15倍は平均的であるととれるということになります。

    「ゴードン成長モデル」で算出されるPERも15倍前後である

    「ゴードン成長モデル」とは、配当が一定の割合で成長する(増加する)ことを前提として、企業の株式の本質的価値を評価するために使用される計算方法で、「経済学の理論モデル」ともいわれます。

    ゴードン成長モデルにおいては、理論PER(理論上の投資元本の回収期間)は次の計算式で算出できます。

    理論PER=1÷(期待収益率-企業の利益成長率)

    「期待収益率」とは、投資家が求めるリターンのことで、要するに「期待利回り」です。

    先進国株式における長期的な期待収益率の水準は、約7%といわれています。また、企業の利益成長率の水準は1~2%といわれています。

    これらの数字を前述の式に当てはめると、「理論PER=1/(0.07-0.015)=約14~18倍」となり、平均としては15倍強となるため、理論的にみてもPER15倍は妥当であるということになります。

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    M&A(非上場企業の売買)におけるPERの考え方は?

    ここまで解説した「PER15倍」という基準は、あくまで「上場企業」の株式市場における目安です。M&Aによって非上場企業の売買を行う場合、この基準をそのまま当てはめることはできないため注意が必要です。

    非上場企業は「流動性ディスカウント」がかかる

    上場企業の株はいつでも市場で売買できますが、非上場企業の株は簡単に換金できません。この「換金しにくさ(流動性の低さ)」を考慮し、M&Aの実務では上場企業のPERよりも低い水準で評価されることが一般的です。

    中小M&Aでは「年買法」が主流

    中小企業のM&Aでは、PERの倍率計算ではなく、「時価純資産+営業権(のれん)」で価格を算出する「年買法(年倍法)」が多く用いられます。

    この際、営業権は「営業利益の2~5年分」で計算されることが多く、これをPERに換算すると実質的に「3~7倍程度」の水準に収まるケースが大半です。

    つまり、上場株投資の感覚で「利益の15倍で売れる(買える)」と考えてしまうと、実際のM&Aの相場感と大きくズレてしまうリスクがあります。

  • 上場株投資:市場の期待値が含まれるため、PER15倍前後が基準
  • M&A(非上場):投資回収期間の実感値に基づき、実質PERは低めになる傾向がある
  • 買い手・売り手としてM&Aを検討する際は、この「市場の違い」を理解しておくことが重要です。

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    PERの確認方法は?

    PERは前述の通り、「PER=株価÷1株あたりの純利益(EPS)」の計算式で算出できますが、この計算式を使うためには、株価、当期純利益、発行株式枚数の3つを調べる必要があります(EPS=当期純利益÷発行株式枚数であるため)

    しかし、これらの数値を調べなくても、PERは無料かつ簡単に確認することができます。代表的な確認方法は、証券会社のwebサイトや取引ツール、もしくは一般的な株式情報サイトをチェックすることです。

    証券会社のwebサイトや取引ツールでの確認方法

    証券会社のwebサイトや取引ツール(スマホアプリやPCアプリ)で確認する一般的な方法は次の通りです。

  • 1.証券会社のWebサイトや取引ツールにログインする
  • 2.調べたい銘柄の名称または証券コード(4桁の数字)を入力して検索する
  • 3.表示された個別銘柄の詳細情報ページのなかにある、「指標」「株式指標」「銘柄スカウター」といった項目のなかに、ER、PER、PBR、配当利回りなどの主要指標が一覧で表示されている
  • ※なお、この方法を使うためには、まず証券会社に口座を開く必要があります。

    証券会社のwebサイトや取引ツールで確認するメリット

    リアルタイムの株価で計算・表示されている
    証券会社のwebサイトまたは取引ツールの指標は、リアルタイムの株価を基に計算・表示されているため、最新の状況に基づいて分析することができます。

    実績PERと予想PERの両方を確認できる
    また、多くの証券会社は、前期の実績利益に基づく「実績PER」と、会社予想に基づく「予想PER」の両方を表示していますが、将来性を予測できる「予想PER」もあることはメリットが大きいといえます。

    スクリーニング機能(銘柄検索機能)を使える
    「PERが15倍以上」「同業種平均よりPERが低い」などの条件で銘柄を検索することができます。これによって、自分の投資戦略にぴったりの割安株や成長株候補をピックアップできます。

    ポートフォリオの管理に役立つ
    自分が保有している銘柄のPERの現状を一覧で確認できるため、ポートフォリオ全体のバランスを調整したいときにも役立ちます。

    PERと合わせて詳細な企業情報を確認できる
    各企業の財務諸表、業績推移、アナリストレポート、ニュースなど、分析に必要な各種情報を、PERと同じ画面上で確認できます。つまり、PERの背景にある企業状況を深堀できるということです。これによって、分析の効率がアップします。

    一般的な株式情報サイトでの確認方法

    証券会社の口座を持っていない場合、もしくはより手軽に情報を得たい場合は、無料で利用可能な株式情報サイトを活用するといいでしょう。また、証券会社の口座を持っている場合も、両方の方法を活用することによってもっとも効率的に重要な情報を得ることができます。

    代表的なサイトは次の通りです。

    Yahoo! ファイナンス

    Yahoo! ファイナンスの個別銘柄のページでは、実績PER、予想PER、PBR、ROE、配当利回りなどの基本指標のほか、詳細な企業データ、関連ニュース、チャートなども確認できます。

    参照:Yahoo! ファイナンス

    日本経済新聞電子版>マーケット

    日本経済新聞電子版の「マーケット」カテゴリーでは、個別銘柄の指標のほか、日経平均株価のPERや業種別PERの推移なども確認可能です。

    参照:日本経済新聞電子版「マーケット」

    株探(かぶたん)

    個別銘柄ページでは、PERをはじめとする指標のほか、業績の進捗率やサプライズ決済情報なども確認することができます。ニュースの速報性や、決算発表について深堀した分析記事などに強みがあるサイトです。

    参照:株探

    まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

    ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。

    PBRとは?

    ここからは、PERと合わせて確認したい2つの指標について解説していきます。

    1つめは「PBR」です。

    PBRとは、「Price Book-value Ratio」の略称で、日本語にすると「株価純資産倍率」と訳されます。PBRは、企業の「資産」という観点から、株価の割安/割高を判断する指標で、計算式は「PBR=株価÷1株あたりの純資産(BPS)」となります。

    BPSとは「Book-value Per Share」の略称で、企業の純資産を発行済株式総数で割ったものです。「純資産」とは、企業の総資産から負債を差し引いたもので、いうなれば「株主の取り分」となる正味の財産です。つまり、BPSは算出時に会社が解散した場合、株主の手元にどれくらいの資産が残るかを示す数値となることから、「解散価値」とも呼ばれます。

    PBRの基本的な見方

    PBRの基本的な見方は次の通りです。

    PBR=1倍

    株価とBPSが等しければ、株価がその企業の解散価値と同じということになります。

    PBR>1倍

    株価が解散価値を上回っている場合、市場がその企業の純資産のみならず、将来的に利益を生み出す能力についても評価しているということになります。「将来的に利益を生み出す能力」とは、たとえばブランドや技術力、収益性などです。一般的に、成長性が高い企業はPBRが解散価値を上回る傾向にあります。

    PBR<1倍

    株価が解散価値を下回っている場合、理論上は、早急に会社を解散して資産を株式に分配したほうが、株式を市場で売るより得ということになります。株価が解散価値を下回る理由としては、市場がその企業の将来性に期待していないことや、企業が保有資産を有効に活用して利益を生み出せていないと評価されていることが考えられます。

    PERとPBRを合わせて確認するといい理由は?

    PERは、先に解説した通り、「会社の“稼ぐ力(利益)”に対して、市場がどれだけの価格(株価)をつけているか」、つまり「収益力」から株価を評価する指標です。一方のPBRは、企業の「資産価値」という側面から株価を評価する指標であるため、2つの指標を組み合わせることによって、よりバランスのいい投資をおこなうことができます。

    たとえば、PERもPBRも低い場合、業績も資産効率も悪いということになるため、超割安株である可能性が高いということになります。業績回復の兆しがあれば大きなリターンも期待できるものの、リスクも高くなります。

    PERは低く、PBRは高い場合、「少ない資産で効率的に利益を上げている優良企業が、一時的に売られている」という状態だといえます。反対に、PBRが低く、PERが鷹飼場合、「資産は多いがまだ十分な利益を出せていない状態で、将来的に、資産を活かした事業が成功することが期待されている」ということになります。

    PERもPBRも高い場合、市場からの成長期待度が高く、収益性・資産価値性の両方にプレミアムがついている状態で、人気成長株だと評価することができます。

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    ROEとは?

    ROEとは、「Return On Equity」の略称で、日本語にすると「自己資本利益率」となります。具体的には、「株主が出資したお金(自己資本=純資産)を活用して、企業がどれだけ効率的に利益を上げることができたか」の指標です。

    ROEは、次の2つの計算式のいずれかによって算出します。

    ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100
    ROE(%)=EPS(1株あたり利益)÷BPS(1株あたり純資産)×100

    ROEは高ければ高いほど、資産を効率的に活用して稼ぐことができているということになります。なお、ROEの目安は8~10%で、これを上回ると、経営上手な優良企業と判断されることが多いです。

    まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

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    PER、PBR、ROEの関係は?

    PER、PBR、ROEの関係性を計算式に表すと次の通りです。

    PBR=PER×ROE

    なぜこうなるかというと、先に解説した通り、PER、PBR、ROEのそれぞれの計算式が次の通りであるためです。

    PER=株価÷1株あたりの純利益(EPS)
    PBR=株価÷1株あたりの純資産(BPS)
    ROE(%)=EPS(1株あたり利益)÷BPS(1株あたり純資産)×100

    つまり、PBR=PER×ROEを書き換えると次のようになります。

    (株価÷BPS)=(株価÷EPS)×(EPS÷BPS)
    ※%ではないため「×100」は割愛

    企業の株価評価(PBR)が、企業の収益性(PER)と資本効率(ROE)の掛け算で決まることが理解できれば、3つの指標を合わせて確認することによって初めて、その企業の価値を多角的にとらえて、よりよい投資判断を下すことができるようになります。

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    PERに関する疑問を解消する FAQ

    続いては、PERに関してよくある質問とその答えを解説していきます。

    Q. 景気が悪化・変動しているときのPERについてはどう考えればいいですか?

    景気が悪化・変動しているときのPERは、平時と同様にとらえてはいけません。

    なぜかというと、景気悪化時期には1株あたりの純利益(EPS)が急減するため、PERが“見かけ上”跳ね上がることになりますが、実際には割高というわけではないからです。

    また、一時的に赤字になった場合、PERを計算するとマイナスもしくはN/A(該当なし)などになり、判断不可になります。

    なお、景気次第で利益が大きく振れる自動車・価額・鉄鋼業などのPERは特に振れ幅が大きく、不況期は跳ね上がり、好況期は下がるという逆転現象が起こりやすいため、不況期や好況期は、平時のPER平均と比較して考えるのはご法度です。

    では、景気悪化時にはPERはどう使うべきであるかというと、“平常利益”を使ったPER(ノーマライズドPER)で確認するのが一般的です。あるいは、10年平均EPSをインフレ調整して計算する「サイクル調整PER」を参考にする方法や、来期または再来季の回復後EPSと、そのEPSに対するPER(予想PER)を参考にする方法もあります。

    もしくは、EPSは参考にならないととらえて、代わりに営業利益やEBITDA倍率(EV/EBITDA)で評価する方法もあります。

    Q. 「PERが高い=割高」な株にはどのように投資するといいですか?

    「PERが高い=割高」とされる株に投資する場合、成長性・将来キャッシュフローを前提に投資戦略を組む必要があります。

    まず、前提として、「高PER=市場が将来の成長利益に期待している状態」と理解して、現在の利益のみで割高か割安かを判断しないようにします。

    そのうえでの投資アプローチとしては、次の6点が重要です。

  • 1.予想PERで判断する
  • 2.PEGレシオで成長とのバランスを見る
  • 3.利益よりキャッシュフローを重視する
  • 4.成長の質を確認する
  • 5.投資期間を長めに設定する
  • 6.分散投資・リスク管理を心がける
  • 予想PERで判断する

    現在のPERが高い場合も、1~3年後のEPS予想に対するPERを計算することが重要です。成長が続くなら、将来的なPERは適正範囲になることが多いと考えられます。

    PEGレシオで成長とのバランスを見る

    PEGレシオ(ペグレシオ)とは、「Price Earnings Growth Ratio」の略称で、「PEGレシオ=PER÷1株あたり利益成長率」の計算式で算出される、PERが割高であるのか割安であるのかを図る指標です。

    PEGレシオが1を下回ると「割安」、2を上回ると「割高」と判断されます。

    「1株あたり利益成長率」には、一般的に予想EPS(1株あたり純利益)などが用いられます。

    参照:三井住友DSアセットマネジメント「PEGレシオ」

    利益よりキャッシュフローを重視する

    まず、営業利益やフリーキャッシュフローが成長しているかを確認します。そのうえで、赤字企業の場合、売上成長やLTV/CACなどの事業指標で判断します。

    「LTV」「CAC」はそれぞれ、LTV=顧客生涯生産、CAC=顧客創出コストで、「LTV÷CAC」で算出された数字によって、事業が良好な状態であるのか、健全な運営ができているのかどうかを見極めることができます。

    成長の質を確認する

    「市場規模(TAM)が大きいか」「競争優位(モート)があるか」「利益率や営業効率が高いか」などを確認して、一時的なブームや特需で高PERになっていると判断される場合は、投資を避けたほうが賢明です。

    投資期間を長めに設定する

    高PER株は、短期間で見るとボラティリティが大きい(価格の動きが大きい)ため、成長を期待するなら、2~年単位の中長期投資が望ましいといえます。

    分散投資・リスク管理を心がける

    高PER株は調整局面で急落することがあり得るため、複数銘柄に分散してリスクを抑えることが重要です。また、損切りルールや利益確定ラインはあらかじめ設定しておくことが理想です。

    PERを「物差し」として活用して、投資の第一歩を踏み出そう

    PERは、株式投資をおこなううえで参考になる指標の一つです。ただし、ここまで解説してきた通り、あくまでも“一つの指標”であって、PERのみをチェックしても、株式投資で望む結果を出せる可能性は非常に低いといえます。そのため、PBRやROEとの違いや、活用するにあたっての注意点をしっかりと理解したうえで、適切に活用することが大切です。前述の通り、証券会社のwebサイトや一般的な株式情報サイトでは、各銘柄のPERやそれに付随する情報を確認することができますが、まずは、これらのサイトをチェックすることを習慣づけることからはじめてみることもおすすめですよ。

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    ジョブカンM&A ジョブカンM&A編集部

    ジョブカンM&Aは、株式会社DONUTSが運営するM&Aアドバイザリーサービスです。主に企業の事業承継、成長戦略、出口戦略(イグジット)といった多様なニーズに応えることを目的としています。最大の特徴は、累計導入社数20万社以上を誇るバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」の広範なネットワークを活用している点です。この強力な顧客基盤を生かし、効率的なマッチングを実現します。


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