事業承継・M&A補助金【14次公募】完全ガイド — 申請フローから採択のコツまで

事業承継やM&Aを実施するためには、それなりの資金を用意する必要があります。経営資産の引継ぎや設備投資、さらには引継ぎ後の経営統合にも費用が発生します。こうした費用は、中小企業・小規模事業者などにとっては大きな負担となるため、事業承継・事業再編・事業統合を促進させるために、費用の一部を国で負担するために、「事業承継・M&A補助金」が用意されています。現在は、第14次公募申請受付中で、受付期間は4月3日17時まで。申請方法について詳しく解説していきます。

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目次
  1. 「事業承継・M&A補助金」とは?
  2. 補助金と助成金の違い
    1. 「事業承継・M&A補助金」の過去の採択結果は?
      1. 事業承継・M&A補助金(第11次公募)の採択結果
      2. 事業承継・M&A補助金(第12次公募)の採択結果
      3. 事業承継・M&A補助金(第13次公募)の採択結果
  3. 「事業承継・M&A補助金」の補助対象者は?
    1. 対象となる中小企業者
    2. 対象となる小規模企業・個人事業主
    3. 満たすべき重要な要件
      1. 業歴
      2. 地域経済への貢献
  4. 「事業承継・M&A補助金」の補助対象者は?
  5. 「事業承継・M&A補助金」の4つの支援枠
    1. 事業承継促進枠
    2. 専門家活用枠
    3. PMI推進枠
      1. PMI専門家活用類型
      2. 事業統合投資類型
    4. 廃業・再チャレンジ枠
  6. 「事業承継・M&A補助金」の4つの支援枠の概要
  7. 「100億円企業特例」とは?
  8. 「事業承継・M&A補助金」の採択を勝ち取るためのコツは?
    1. 従業員引継ぎ要件を守る
    2. 地域経済への貢献を明確化する
    3. 生産性向上について具体的な数値で示す
    4. 賃上げ要件を積極的に活用する
    5. 事前着手(交付決定前の契約・支払い)のルールを厳守する
  9. 事業承継・M&A補助金【14次公募】の申請フローは?
    1. Step 1:GビズIDプライムアカウントの取得
    2. Step 2:申請要件の確認
    3. Step 3:事業計画の策定
    4. Step 4:「認定支援機関」の確認書取得
    5. Step 5:Jグランツで電子申請
    6. Step 6:採択結果の通知
    7. Step 7:交付申請
    8. Step8:事業実施
    9. Step9:実績報告
    10. Step10:補助金受領
  10. 「事業承継・M&A補助金14次公募」の詳細は説明会のアーカイブで確認しよう
  11. 「事業承継・M&A補助金」に関するFAQ
    1. Q. どのM&A仲介会社・FAに依頼しても補助金の対象になりますか?
    2. Q. M&A成立前でも「事業承継・M&A補助金」に申請できますか?
    3. Q. 他の補助金と併用可能ですか?
    4. Q. 「事業承継・M&A補助金」は、採択・交付決定を受けた場合、次の募集時に再度申請することができますか?
      1. 同一内容の再申請は不可
      2. 事業が完了していることが前提
      3. 過去の実績によって原点対象となる場合がある
  12. 補助金活用の相談は「ジョブカンM&A」へ

「事業承継・M&A補助金」とは?

「事業承継・M&A補助金」とは、中小企業・小規模事業者などが事業承継やM&Aを“契機として”、経営革新、設備投資、専門家活用などをおこなうための費用を支援する制度で、経済産業省・中小企業庁によって運営されています。

“契機として”を噛み砕いて説明すると、単に事業の引継ぎにかかる費用を補助するだけでなく、 “事業承継・M&A後の成長”のために必要な費用も補助してくれるということです。特に、後述する4つの支援枠のうち、「事業承継促進枠」に関しては、「承継がなければ着手しなかったであろう取り組み」を対象としていることから、対象者の成長に役立つ補助金であるといえます。

なお、現在は第14次公募期間で、2026年2月27日~2026年4月3日に申請を受け付けていますが、第1次~第4次公募には令和3年度補正予算が充てられており(当時の名称は「事業承継・引継ぎ補助金」)、以降、現在に至るまで多くの中小企業・小規模事業者に利用されている制度です。

参照:事業承継・M&A補助金

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補助金と助成金の違い

「事業承継・M&A補助金」についてさらに詳しく解説していく前に、補助金と助成金の違いについても解説しておきます。

補助金とは、主に経済産業省が管轄している制度で、採択される企業数が決まっています。つまり、申請したとしても、審査に通らなければ受給することができません。

一方、助成金は主に厚生労働省が管轄している制度で、要件を満たしていれば原則として誰でも受給可能です。

つまり、「事業承継・M&A補助金」を利用するためには、まず、審査に通る必要があるということになります。

「事業承継・M&A補助金」の過去の採択結果は?

前述の通り、「事業承継・M&A補助金」を利用するためには、まず、審査に通らなくてはなりません。「そうはいっても、申請すればほとんど問題なく採択されるのでは?」と思うかもしれませんが、実際のところ、採択率は高くはありません。過去3回分の採択データは次の通りです。

事業承継・M&A補助金(第11次公募)の採択結果

補助金名:事業承継・M&A補助金 「専門家活用枠」第11次公募
締切日:令和7年6月6日(金曜)
申請件数:590件
採択件数:359件

参照:中小機構「事業承継・M&A補助金(第11次公募)の採択結果が公表されました」

事業承継・M&A補助金(第12次公募)の採択結果

補助金名:事業承継・M&A補助金 第12次公募
締切日:令和7年9月19日(金曜)
申請件数:742件(うち、事業承継促進枠250件、専門家活用枠436件、PMI推進枠55件、廃業・再チャレンジ枠1件)
採択件数:453件(うち、事業承継促進枠152件、専門家活用枠266件、PMI推進枠34件、廃業・再チャレンジ枠1件)

参照:中小機構「事業承継・M&A補助金(第12次公募)の採択結果が公表されました」

事業承継・M&A補助金(第13次公募)の採択結果

補助金名:事業承継・M&A補助金 第13次公募
締切日:令和7年11月28日(金曜)
申請件数:481件(うち、事業承継促進枠182件、専門家活用枠267件、PMI推進枠32件)
採択件数:293件(うち、事業承継促進枠111件、専門家活用枠163件、PMI推進枠19件)

参照:中小機構「事業承継・M&A補助金(第13次公募)の採択結果が公表されました」

たとえば、直近である第13次公募の採択率を計算しても約60%前後であることから、一定の審査基準が保たれていることがわかります。そのため、確実に採択されるためには、各支援枠の支援内容をきちんと理解して、募集要項をきちんと満たした状態で申請することが大切であるということになります。

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「事業承継・M&A補助金」の補助対象者は?

また、「事業承継・M&A補助金」を利用するためには、前提として、中小企業基本法上の中小企業、小規模企業、あるいは個人事業主である必要があります。

対象となる中小企業者

業種 中小企業者
資本金の額または出資の総額 または 常時使用する従業員の数
製造業、建設業、運輸業、その他の業種(②~④を除く) 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

ただし、上記に該当していても、「資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接的に100%の株式を保有される法人」「申請時において確定している直近過去3年分の各年あるいは各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者」などは補助対象外となります。

対象となる小規模企業・個人事業主

業種 定義
製造その他 従業員の数が20人以下の会社および個人事業主
商業・サービス業 従業員の数が5人以下の会社および個人事業主
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 従業員の数が20人以下の会社および個人事業主

参照:経済産業省 中小企業庁「事業承継・M&A補助金」

満たすべき重要な要件

中小企業基本法上の中小企業、小規模企業、あるいは個人事業主に該当する以外にも、補助対象者となるためにはいくつか満たすべき要件があります。そのうち特に重要なのは次の要件です。

業歴

法人の場合:3期分以上の決算・申告が完了していること
個人事業主の場合:開業から5年以上が経過していること

上記は、事業の継続性や安定性を審査するうえで重要な基準であるとされています。

地域経済への貢献

「事業承継・M&A補助金」は、単に会社を存続させることではなく、地域経済の活性化に貢献する会社を支援することを目的としています。そのため、たとえば「地元の雇用を維持・拡大する」「地域内の取引を増やす」などの計画を提示することが求められています。

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「事業承継・M&A補助金」の補助対象者は?

このほかにも、4つの支援枠ごとに異なる要件が提示されています。

参照:経済産業省 中小企業庁「事業承継・M&A補助金」

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「事業承継・M&A補助金」の4つの支援枠

また、M&Aの買い手として専門家活用枠などに申請する場合、「譲り受け側」が要件を満たしているだけでなく、「譲り渡し側(売り手)」も中小企業・小規模事業者等であることが求められます。大企業や海外企業を対象としたM&A(買収)は補助対象外となるため、検討初期の段階で相手先の規模を必ず確認してください。

「事業承継・M&A補助金」の4つの支援枠は次の通りです。

事業承継促進枠

5年以内に親族内承継、従業員承継を予定している場合の設備投資などにかかる費用を補助してもらえます。

【対象となる取り組み例】

  • 生産性を向上させるために、老朽化した製造ラインを最新の省エネ設備に入れ替えること
  • 営業活動の効率化を目的に、CRM(顧客管理システム)を導入する
  • 事業を引き継ぐ後継者が、新たな販路開拓のためにECサイトを立ち上げる
  • など

    事業承継促進枠を活用しておこなう取組みは、先に解説した通り、「承継がなければ着手しなかったであろう取り組み」である必要があります。そのため、たとえば単に現状を維持するために必要な修繕費などは対象外となります。

    専門家活用枠

    M&A時の専門家活用に係る費用、たとえばファイナンシャルアドバイザー利用料、仲介に係る費用、表明保証保険料などを補助してもらえます。ただし、ファイナンシャルアドバイザー利用料、仲介費用については、「M&A支援機関登録制度」に登録しているファイナンシャルアドバイザー・仲介業者による支援にかかる費用のみが補助対象です。

    PMI推進枠

    M&A後の経営統合(PMI)に係る費用、専門家費用や設備投資費用などを補助してもらえます。「PMI推進枠」は、「PMI専門家活用類型」「事業統合投資類型」の2つの類型が用意されています。2つの違いは次の通りです。

    PMI専門家活用類型

    【目的】弁護士、会計士、中小企業診断士をはじめとする士業などの専門家によるPMI実行を支援(組織統合、業務ワークフロー見直しなど)

    事業統合投資類型

    【目的】統合に伴う設備投資やシステム導入費用を支援

    なお、PMIに取り組むにあたっては、コンサルタント費用と、それに基づくシステム導入費や設備投資費の両方が発生する場合がほとんどですが、いずれか一方の枠でしか申請できないため、どちらの支援枠で申請するのが自社にとってベストであるのかをよく考えることが大切です。

    廃業・再チャレンジ枠

    事業承継・M&Aに伴う廃業などに係る費用、たとえば原状回復費や在庫処分費、土壌汚染調査費などを補助してもらえます。

    ※なお、「廃業・再チャレンジ枠」は、「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「PMI促進枠」と併用できます。

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    「事業承継・M&A補助金」の4つの支援枠の概要

    「事業承継・M&A補助金」の4つの支援枠の概要は次の表の通りです。

    事業承継促進枠 専門家活用枠 PMI推進枠 廃業・再チャレンジ枠
    要件 5年以内に親族内承継、従業員承継などを予定している者 補助事業期間に経営資源を譲り渡すあるいは譲り受ける者 M&Aに伴い経営資源を譲り受ける予定の中小企業などに係るPMIの取り組みをおこなう者 事業承継やM&Aの検討・実施などに伴って廃業などをおこなう者
    補助上限 800~1,000万円
    ※一定の賃上げを実施する場合、補助上限を1,000万円に引き上げ
    【買い手支援類型】
    ①600~800万円
    ※800万円を上限に、DD費用の申請をおこなう場合、200万円を加算
    ②2,000万円
    ※「100億円企業特例」の要件を満たす場合
    【小規模売り手支援類型】
    450万円
    【PMI専門家活用類型】
    150万円
    【事業統合投資類型】
    800~1,000万円
    ※一定の賃上げを実施する場合、補助上限を1,000万円に引き上げ
    300万円
    ※事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠と併用申請する場合、それぞれの補助上限に加算
    補助率 1/2、2/3
    ※小規模事業者に該当する場合は2/3
    【買い手支援類型】
    1/3、1/2、2/3
    ※「100億円企業特例」の要件を満たす場合、1,000万円以下の部分については1/2、1,000万円を超える部分については1/3
    【売り手支援類型】
    1/2、2/3
    赤字、営業利益率の低下(物価高影響など)のいずれかに該当する場合は2/3
    【小規模売り手支援類型】
    2/3
    【PMI専門家活用類型】
    1/2
    【事業統合投資類型】
    1/2、2/3
    ※小規模事業者に該当する場合は2/3
    1/2、2/3
    ※事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠と併用申請する場合、各事業における事業費の補助率に従う
    対象経費 設備費、産業財産検討関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費など 謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料 設備費、外注費、委託費など 廃業支援費、在庫廃業費、解体費、原状回復費、土壌汚染調査費、リースの解約費、移転・移設費用(併用申請の場合のみ)

    まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

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    「100億円企業特例」とは?

    上表の通り、専門家活用枠の補助上限や補助率は、「100億円企業特例」の要件を満たしているかどうかによって変わってきます。

    「100億円企業特例」とは、次の3つの要件を満たすことによって適応となる特例のことです。

  • 1. 最低譲渡価額が5億円以上のM&A計画であること
  • 2. 申請時に、補助事業者の「100億円宣言」が「100億円企業成長ポータル」サイト上で公開されていること
  • 3. 被承継者の従業員の雇用を3年間維持すること(承継者の責任によらない場合を除く)
  • なお、「100億円宣言」とは、中小企業の経営者が「売上高100億円」を目指して、その実現に向けた取り組みをおこなっていくことを宣言するもので、ポータルサイトへの宣言掲載方法などは公式サイトで確認することができます。

    参照:100億円企業成長ポータル

    参照:「100億円宣言」とは

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    「事業承継・M&A補助金」の採択を勝ち取るためのコツは?

    前半で述べた通り、「事業承継・M&A補助金」の直近の採択率は約60%と高くはありません。そのため、申請する場合、確実に採択を勝ち取ることを目標に戦略を立てることが大切です。具体的には、次のポイントを意識することが役立ちます。

  • 従業員引継ぎ要件を守る
  • 地域経済への貢献を明確化する
  • 生産性向上について具体的な数値で示す
  • 賃上げ要件を積極的に活用する
  • 事前着手ルールの厳守
  • 従業員引継ぎ要件を守る

    「事業承継・M&A補助金」においては、事業の継続性を示すために、M&Aの形態などによっては従業員の引継ぎに関しても要件が定義されています。これに引っかからないかどうかは、事前にきちんと確認する必要があります。

    申請枠 M&A形態/対象業種 従業員引継ぎの原則要件
    専門家活用枠(買い手/売り手/PMI推進枠) 事業譲渡全般 有機的一体としての経営資源(設備、従業員、顧客など)の譲渡・譲受事実が確認できない場合、要件を満たさない可能性がある
    専門家活用枠(買い手/売り手/PMI推進枠) 不動産業 常時使用する従業員1名以上の引継ぎが求められる。不動産および取引契約の引継ぎのみで従業員1名以上の引継ぎを伴わない場合、単なる不動産売買とみなされ対象外となる
    専門家活用枠(100億円企業特例) 不動産業 常時使用する従業員5名程度以上の引継ぎがない場合、補助対象外となるリスクが高い
    専門家活用枠(100億円企業特例) M&A全般(買い手) 被承継者の従業員の雇用を3年間維持することが必須条件となる(自己都合退職など、承継者の責任によらない場合を除く)

    地域経済への貢献を明確化する

    先にも解説した通り、「事業承継・M&A補助金」は、単に会社を存続させることではなく、地域経済の活性化に貢献する会社を支援することを目的としています。そのため、たとえば地域の雇用創出や維持、地域の特産品や技術の活用などによって、“地域経済に波及効果をもたらすことができる事業主であるかどうか”は厳しく審査されています。

    では、地域経済への貢献をどのようにアピールすればいいかというと、たとえば「地域内の仕入れ先を3者増やして、地域経済の循環に貢献します」など、具体的な数値目標を明記するだけでも、審査する側からいい印象を持たれやすいといえます。

    生産性向上について具体的な数値で示す

    先にも解説した通り、「事業承継・M&A補助金」は企業の“成長”をサポートするものです。そのため、各支援枠での審査においては、「補助金を活用することでどの程度の生産性向上が見込めるか」がチェックされています。具体的には、次の表の通りの要件を満たしていることが大切です。

    申請枠 審査で重視される視点/数値目標の必須要件
    事業承継促進枠 承継予定者が主導する生産性向上などに係る取組みであって、事業計画期間(5年間)において、「付加価値額」あるいは「1人あたりの付加価値額」の伸び率が年率平均3%以上の向上を含む計画であること
    専門家活用枠(買い手支援) M&A後のシナジーを活かした生産性向上などをおこなうことが見込まれること
    PMI推進枠(事業統合投資類型) PMIの実施によって、統合効果(シナジーなど)の最大化を図り、生産性向上を目的とする設備投資などをおこなうこと
    PMI推進枠(専門家活用類型) M&A成立後にPMIを実施することによって、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業をおこなうことが見込まれ、PMIの効果が最大化されること

    たとえば、「現状の設備から最新の設備に切り替えることによって、製造時間が30%短縮されて、年間売上高が1,500万円増加します」など、設備投資やM&Aがどのように収益構造の改善や会社の成長につながるのかを、具体的な数値で示すことが大事です。

    賃上げ要件を積極的に活用する

    賃上げは、従業員のモチベーション向上だけでなく、会社の成長加速にもつながるとして、国としても強く推量していることから、賃上げに取り組むことで高い評価を得ることができます。

    「事業承継促進枠」「PMI促進枠(事業統合投資類型)」においては、公募申請時と比較して、補助事業期間終了時に、事業場内最低賃金+50円以上の賃上げを達成する計画を立てれば、高い評価を得られるうえ、補助上限額が引き上げられます。

    ※ただし、達成できなかった場合にはペナルティが課されます。

    また、前枠共通で、「事業場内最低賃金を前年度期末時点から+30円以上賃上げ予定である」と従業員に表明している場合、審査場の加点を受けることができます。

    ※ただし、これに関しても達成できなかった場合はペナルティが課されます。

    事前着手(交付決定前の契約・支払い)のルールを厳守する

    補助金は原則として、「交付決定後」に契約・発注・支払いを行った経費のみが対象となります。M&Aの仲介契約やFA契約などを交付決定日より前に結んでしまった場合、原則としてその費用は補助対象外となってしまいます。 どうしても早期に契約・進行が必要な場合は、事務局へ「事前着手届出」を提出し承認を得るプロセスが必須となるため、スケジュール管理には細心の注意を払ってください。

    まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

    ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。

    事業承継・M&A補助金【14次公募】の申請フローは?

    事業承継・M&A補助金【14次公募】の申請フローは次の通りです。

  • Step 1:GビズIDプライムアカウントの取得
  • Step 2:申請要件の確認
  • Step 3:事業計画の策定
  • Step 4:認定支援機関の確認書取得
  • Step 5:Jグランツで電子申請
  • Step 6:採択結果の通知
  • Step 7:交付申請
  • Step8:事業実施
  • Step9:実績報告
  • Step10:補助金受領
  • 一つひとつ詳しく解説していきます。

    Step 1:GビズIDプライムアカウントの取得

    「事業承継・M&A補助金」の申請は、国の電子申請システムである「Jグランツ」からおこないますが、「Jグランツ」を利用するためには、「GビズIDプライムアカウント」が必要です。申請するかどうか迷っている場合も、まずはIDを取得しておけば、すぐに手続きを開始することができるので安心です。

    なお、GビズIDプライムアカウントの発行には、通常、2~3週間程度かかります。そのため、事業承継・M&A補助金【14次公募】の申請締め切りに間に合わせるためには、今すぐ取得することが望ましいといえます。

    参照:Jグランツ

    参照:GビズID

    Step 2:申請要件の確認

    「事業承継・M&A補助金」の補助金対象者が満たすべき主な要件については先に解説しましたが、支援枠によって細かな要件は異なるので、事前に公式サイトでよく確認することが大切です。

    参照:経済産業省 中小企業庁「事業承継・M&A補助金」

    Step 3:事業計画の策定

    「事業承継・M&A補助金」には、主に次のような書類が必要です。

  • 事業計画書:採択の鍵を握る最重要書類
  • 決算書:直近3期分の決算書(貸借対照表、損益計算書など)
  • 履歴事項全部証明書:会社の基本情報を示す書類
  • 賃上げ計画書(該当する場合):賃上げ実施の具体的な計画
  • このうち、作成に特に時間がかかるのは「事業計画書」です。具体的な数値目標、投資内容、承継後のビジョンをきちんと盛り込み、審査する側にとってわかりやすいよう伝える必要があります。

    Step 4:「認定支援機関」の確認書取得

    「事業計画書」を作成したら、内容について「認定支援機関」に確認してもらい、内容が妥当であることを証明するために、確認書を発行してもらう必要があります。

    「認定支援機関」とは、中小企業庁が認定する「経営革新等支援機関」のことで、税理士や公認会計士、金融機関、商工会、商工会議所、コンサル会社など、一定の専門性と実績を有している機関のみが認定されています。

    なぜ、第三者である専門家の確認が必要かというと、補助金は税金であるため、「計画が現実的か」「数値根拠が妥当か」「承継後の成長性があるか」などを厳しくチェックする必要があるためです。

    確認される主なポイントは次の通りです。

  • 承継スキームの妥当性
  • 売上・利益計画の合理性
  • 投資内容の必要性
  • M&A価格の妥当性
  • なお、認定支援機関の確認書取得は有料である場合が多いので、顧問契約を結んでいる弁護士がいる場合なども、別途費用が発生すると考えておくといいでしょう。

    Step 5:Jグランツで電子申請

    必要な書類がすべてそろったら、Jグランツで電子申請をおこないます。なお、事業承継・M&A補助金【14次公募】の電子申請締め切りは2026年4月3日17時です。この時間に提出が完了している必要があるため、17時から申請を開始したのでは間に合わないということになります。

    Step 6:採択結果の通知

    事業承継・M&A補助金【14次公募】の採択日は、2026年5月中旬と予定されています。

    参照:事業承継・M&A補助金 14次公募~

    Step 7:交付申請

    採択者に選ばれたら、交付決定を受けるための正式な手続きとして、「交付申請」をおこないます。補助金事務局は、交付申請を受けて「本当にこの内容・金額で補助金を出してよいか」を最終確認することになります。

    なお、交付申請では、採択時の内容をもとに、実施内容・スケジュールなどの最終確認や、見積書などの信ぴょう性、経費区分などについて厳しく確認されます。いわば、「最終チェック」ということになりますが、採択時の計画と金額が大きく異なる場合や、見積もり日が交付決定前後で不適切な場合などは差し戻しになるので注意が必要です。また、補助対象外の経費が混入していないか、事業計画と整合性がとれているかなどについても改めて確認がおこなわれます。

    交付申請受付期間は、2026年5月下旬~2026年9月下旬と予定されています。

    参照:事業承継・M&A補助金 14次公募~

    Step8:事業実施

    交付申請が通って交付が決定したら、補助金の対象となる事業を開始します。なお、交付決定日は2026年6月上旬以降と予定されています(各自の交付申請のタイミングにもよる)

    参照:事業承継・M&A補助金 14次公募~

    Step9:実績報告

    対象となる事業を実施したら、実績を報告する必要があります。実績報告期間は、2026年10月下旬~2027年6月中旬と予定されています。

    参照:事業承継・M&A補助金 14次公募~

    Step10:補助金受領

    実績を報告して、不適切ではないことが認められたら、ようやく補助金交付手続きへと移ります。補助金交付は2027年1月下旬以降と予定されています(各自の交付申請のタイミングにもよる)

    参照:事業承継・M&A補助金 14次公募~

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    ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。

    「事業承継・M&A補助金14次公募」の詳細は説明会のアーカイブで確認しよう

    「事業承継・M&A補助金第14次公募」について不明点がある場合、より詳しく知りたい場合は、事務局が開催するオンラインの説明会に参加することがおすすめです。参加は必須というわけではありませんし、不参加を理由に採択が見送られることもありませんが、参加するメリットは大きいといえます。なぜかというと、差し戻しが多い項目、審査でチェックされているポイントなどについて補足される可能性があるためです。

    第14次公募のオンライン説明会は2026年3月6日に終了しましたが、事務局の公式サイトにて説明会の資料が順次公開されます。差し戻しが多い項目や審査のポイントなどについて補足されているため、申請前に必ず視聴しておくことをおすすめします。

    参照:事業承継・M&A補助金 14次公募~

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    「事業承継・M&A補助金」に関するFAQ

    続いては、「事業承継・M&A補助金」に関してよくある質問とその答えを確認していきましょう。

    Q. どのM&A仲介会社・FAに依頼しても補助金の対象になりますか?

    いいえ、すべての業者が対象になるわけではありません。

    専門家活用枠において仲介手数料やFA費用を補助対象とする場合、必ず中小企業庁が創設した「M&A支援機関登録制度」に登録されている業者を利用する必要があります。未登録の業者に依頼した場合は補助金が一切下りないため、契約前に必ず登録業者であるかを確認してください。

    Q. M&A成立前でも「事業承継・M&A補助金」に申請できますか?

    結論からいうと、M&A成立前でも申請は可能です。補助金の公募要領には次のように記されています。

  • M&Aが未成立でも申請可能
  • ただし「成立見込み」が必要
  • つまり、基本合意書(LOI)を締結した段階やデューディリジェンス実施中、株式譲渡交渉中などでも申請可能ということです。

    ただし、次の点は注意点として挙げられます。

  • 交付決定前にM&Aが成立していることが求められる場合がある
  • 事業再編の実行可能性が審査対象となる
  • 成立見込みが低いと不採択となる可能性が高い
  • これらを踏まえると、実務上のポイントは次の通りとなります。

  • 「成立前提」での事業計画になっているか
  • スケジュールが現実的か
  • M&A成立後に実施する補助対象経費になっているか
  • Q. 他の補助金と併用可能ですか?

    結論からいうと、内容が重複しなければ併用可能です。

    「事業承継・M&A補助金」の公募要領には次のように記されています。

  • 同一経費への重複補助は禁止
  • 事業内容・経費が明確に分かれていれば併用可能
  • たとえば、必要経費を次のように振り分けて補助金を申請することが考えられます。

  • M&A仲介費 → 事業承継・M&A補助金
  • 設備投資 → ものづくり補助金
  • IT導入 → IT導入補助金
  • なお、万が一、二重需給が後から発覚した場合、重大な不正として扱われることになります。

    また、他の補助金と併用する場合には、経費を明確に区分する以外に、事業計画上の目的を分離することや、契約書・請求書をわけること、交付決定日を事前に確認して手続きを進めることなども大切です。

    Q. 「事業承継・M&A補助金」は、採択・交付決定を受けた場合、次の募集時に再度申請することができますか?

    原則として再申請することはできます。ただし、次の点に注意する必要があります。

    同一内容の再申請は不可

    以前と同じM&A案件、同じ経費内容、実質的に同一事業である、などは認められません。

    事業が完了していることが前提

    以前の補助事業の「実績報告」「確定検査」が未了である場合、次回申請が制限されることがあります。

    過去の実績によって原点対象となる場合がある

    以前、交付された案件について実績報告で不備が多かった場合や、事業未達の場合、返還暦がある場合、審査においてマイナス評価がつく可能性が高いといえます。

    まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

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    補助金活用の相談は「ジョブカンM&A」へ

    「事業承継・M&A補助金14次公募」の全体像を掴みたい場合、事務局が主催する説明会への参加も有意義ですが、「自社が補助金を申請する場合、どのように活用することを目指すともっともスマート?」などの個別の質問・疑問がある場合、専門家に相談するのが一番です。とはいえ、申請期間が迫っているなかで、相談する専門家を一から探すのは大幅な時間のロスです。スムーズに申請手続きを開始するためにも、ぜひお気軽に「ジョブカンM&A」へ相談してみてくださいね。

    ジョブカンM&A ジョブカンM&A編集部

    ジョブカンM&Aは、株式会社DONUTSが運営するM&Aアドバイザリーサービスです。主に企業の事業承継、成長戦略、出口戦略(イグジット)といった多様なニーズに応えることを目的としています。最大の特徴は、累計導入社数20万社以上を誇るバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」の広範なネットワークを活用している点です。この強力な顧客基盤を生かし、効率的なマッチングを実現します。


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