2025年M&A件数5,115件・金額35.7兆円で過去最高 — データで読む「今がM&Aのタイミング」な5つの理由

2025年、日本企業が関連するM&Aが、件数・金額ともに過去最高を記録しました。件数は5,115件(前年比8.8%増)で2年連続過去最多を更新。金額は35兆7,437億円にも上ります。では、なぜ今、国内でM&A市場が活況を呈しているのでしょうか? 企業がM&Aを実施するタイミングとして、“今が最適”である理由を紐解いていきます。

まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

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目次
  1. 国内のM&A件数の推移|2025年に大きく飛躍
    1. IN-IN/IN-OUT/OUT-INとは
      1. IN-INとは
      2. IN-OUTとは
      3. OUT-INとは
  2. データで見る「今がM&Aのタイミング」な5つの理由
    1. 【理由2】買い手の競争が激化している
    2. 【理由3】金融機関のM&A融資が拡充している
    3. 【理由4】補助金・税制優遇が充実している
    4. 【理由5】金利上昇により、買い手の資金調達コストが変わる転換期である
  3. 事業承継の時期、「まだ早い」は大きな誤算
  4. 無料の企業価値診断 / M&A相談はジョブカンM&Aへ

国内のM&A件数の推移|2025年に大きく飛躍

M&A件数 IN-IN IN-OUT OUT-IN
2020年 3,730件 2,944件 557件 229件
2021年 4,280件 3,337件 625件 318件
2022年 4,304件 3,345件 625件 334件
2023年 4,015件 3,071件 661件 283件
2024年 4,700件 3,702件 665件 333件
2025年 5,115件 4,086件 657件 372件

M&Aの件数はさまざまな要因によって変動します。過去を振り返ると、2004年以降には2,000件を超える水準に達して、順調に件数を伸ばし続けていましたが、リーマン・ショック(2008年)によってM&Aの件数は激減。2011年にはかつての水準にまで戻ってしまいました。しかし、リーマン・ショックから10年以上のときを経て、2019年には4,000件を超える水準に到達。2020年には、新型コロナウイルスの影響を受けて3,730件にまで減少したものの、2021年には再び4,000件を超え、以降、4,000件超えをキープし続け、2025年に遂に5,000件超えを達成しています。

IN-IN/IN-OUT/OUT-INとは

なお、上表のIN-IN/IN-OUT/OUT-INとは、M&Aにおける買い手・売り手が国内企業であるのか海外企業であるのかを示す分類です。

IN-INとは

IN-INは、国内企業同士のM&Aを意味します。国内企業同士でのM&Aの目的は、主に市場シェアの拡大や経営資源の統合、コスト削減で、実施することによって国内市場の競争力を高めることができます。国内企業同士でのM&A件数が増えてきたのは1990年代以降ですが、その理由は、グローバル競争が激化するなか、「選択と集中」を重視する動きが広がったことです。昨今では、中小企業のIN-INの件数も増えつつあります。

IN-INの代表例は次の通りです。

  • 日本郵政×楽天の資本業務提携
  • マツモトキヨシ×ココカラファインの経営統合
  • ニトリホールディングス×エディオンの資本業務提携
  • IN-OUTとは

    IN-OUTは、国内企業が海外企業を買収するM&A戦略です。2009年から2012年にかけて、円高の影響によってアジア圏およびオーストラリアでの大型M&Aが盛んにおこなわれましたが、2012年度末に安倍政権が発足すると、アベノミクスや黒田日銀総裁の異次元緩和が円安を促すこととなり、件数が減少した時期があります。現在は、アジア市場での案件数は増加していますが、金額的には北米や欧州のほうが大きな割合を占めています。

    IN-OUTの代表例は次の通りです。

  • ソニーによるソニー・エリクソン(日本とスウェーデンが共同出資)の買収
  • 日本電産によるエマソン・エレクトリック(アメリカ)の発電事業買収
  • サントリーによるビーム(アメリカ)の買収
  • ソフトバンクによるスプリント(アメリカ)の買収
  • 武田薬品工業によるシャイアー(アイルランド)の買収
  • OUT-INとは

    OUT-INは、海外企業が国内企業を買収するM&Aの形態です。海外企業の目的は、日本市場への進出やシェア拡大です。一方、国内企業にとっては、国際的ネットワークの活用、資本や技術の導入が期待できますが、文化的な違いが原因で課題が生まれることもあります。

    OUT-INの代表例は次の通りです。

  • 鴻海精密工業(台湾)によるシャープの買収
  • ルノー(フランス)と日産の提携
  • ロシュ(スイス)による中外製薬の買収
  • KKR(アメリカ)による日立国際電気買収
  • 参照:MARR Online|2024年のM&A解雇(2024年1-12月の日本企業のM&A動向)

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    データで見る「今がM&Aのタイミング」な5つの理由

    続いては、2026年の“今”が、M&Aを実施するのにベストなタイミングだと考えられる理由を解説していきます。まず、理由のリストアップは次の通りです。

    【理由1】後継者不在率が高いため売り手市場である
    【理由2】買い手の競争が激化している
    【理由3】金融機関のM&A融資が拡充している
    【理由4】補助金・税制優遇が充実している
    【理由5】企業価値は「今」がもっとも正確に評価できる

    日本の中小企業・小規模事業者は、2021年6月時点のデータで約336万5,000社あり、経営者の平均年齢は2024年時点で63.59歳です。しかも、そのうち70代以上の経営者が34.47%を占めており、過去最高を記録しています。

    また、2024年の休廃業・解散企業数は6万2,695件にも達しており、そのうち50%以上が黒字での休廃業・解散となっています。これはどういうことかというと、経営者が高齢化したことによって、事業を続ける意欲を失ったり、または病気や死去などに伴い、会社を続けることができなくなったりしているということです。

    なかには、世代交代のために早めに後継者選定を進めている企業もあるものの、若年層の人口減少によって後継者候補の確保が難しくなっているのが現実です。

    具体的には、2025年時点で、売上高1億円超・社長年齢60歳以上の中小企業における事業承継型M&Aの潜在需要は92,175社で、2035年には95,234社にまで企業数が増えることが見通されています。

    参照:日本M&Aセンターホールディングス「統合報告書2025」p.7「事業承継型M&A需要の高まり」

    また、M&A市場規模のポテンシャルとしては、現時点で既に13兆5,000億円にも上るとされています。

    売上高規模区分 中小企業の数 M&Aポテンシャル企業数 ポテンシャル市場規模
    事業承継型中心
    (社長年齢60歳以上)
    非事業承継型中心
    (社長年齢60歳未満)
    10億円超 100,012社 13,821社 16,758社 4.0兆円
    1億円超10億円以下 577,149社 79,715社 90,724社 9.5兆円
    合計 677,161社 93,536社 107,482社 13.5兆円

    ※社長年齢60歳以上の企業は事業承継型中心、社長年齢60歳未満の企業は非事業承継型中心のM&Aと仮定

    参照:日本M&Aセンターホールディングス「統合報告書2025」p.8「先行き不安ニーズと成長戦略ニーズの高まり」

    【理由2】買い手の競争が激化している

    背景にあるのは、深刻な「人手不足」と「事業成長スピードの追求」です。ゼロから人材を採用・育成するよりも、すでに人材やノウハウを持つ企業を買収する「時間を買うM&A」が、大企業だけでなく中小企業の間でも有効な成長戦略として定着しています。その結果、M&Aプラットフォームの買い手登録者数が年々増加して、競争が激化していることも注目すべきポイントです。

    たとえば、小規模事業者でも気軽に利用できるよう、成約手数料を廃止したことでさらに人気のM&A総合支援プラットフォーム「BATONZ(バトンズ)」は、2025年2月に累計会員登録数30万ユーザーを突破しています。

    その「BATONZ(バトンズ)」と連携協定を締結している「TRANBI(トランビ)」の会員は22万ユーザーを超えています。

    さらに、こうした人気のプラットフォームでは売り手・買い手のマッチングが非常にスピーディであることも大きな特徴です。たとえば「BATONZ(バトンズ)」では、従来は1~2年かかっていたM&Aのプロセスが平均3か月にまで縮まっており、最短で1週間のスピード成約事例があることも公表しています。

    参照:BATONZ

    参照:TRANBI

    参照:BATONZ「よくある質問 Q&A」

    【理由3】金融機関のM&A融資が拡充している

    金融機関によるM&A融資は、2024(令和6)年から拡充されています。

    同年、金融庁は、金融機関によるM&A支援を促して、M&A・事業承継時における経営者保証を見直す枠組みを構築すると公表していますし、中小企業庁は、信用保証協会が金融機関同様に経営者保証を見直す枠組みを構築するために、監督指針の改正をおこなっています。

    つまり、単なる貸出ではなく、国としてもM&Aプロセス全体に関与する意識が高まっていると捉えることができます。

    参照:金融庁「金融機関におけるM&A支援の促進等について」

    また、日本政策金融公庫をはじめとする公的な金融機関は、株式譲渡代金や事業継続資金などをカバーするM&A関連融資を提供。活用事例の公表が進んでいることから、大企業だけでなく、中小企業レベルのM&A資金ニーズへの対応が実際に進んでいることがわかります。

    【理由4】補助金・税制優遇が充実している

    後継者不在による中小企業の廃業・解散件数が増えていることは、国にとっても大きな痛手であることから、ここ数年、補助金や税制優遇という形での支援にも力が入れられています。

    たとえば、現在、第14次公募期間中の「事業承継・M&A補助金」を活用すれば、最大1,000万円の補助を受けることができます(ただし、“最低譲渡価額が5億円以上のM&A計画である”などのいくつかの条件を満たしている「100億円企業特例」に当てはまる場合、最大2,000万円までの補助を受けられます)

    参照:事業承継・M&A補助金

    また、会社や個人事業の後継者が承継によって取得した一定の資産について、贈与税や相続税の納税が猶予されるうえ、要件を満たせば猶予された税額の納付が免除となる「事業承継税制」も、期間限定の制度とされています。

    参照:国税庁「事業承継税制特集」

    参照:国税庁「法人版事業承継税制」

    参照:国税庁「個人版事業承継税制」

    【理由5】金利上昇により、買い手の資金調達コストが変わる転換期である

    日本は長らく続いたマイナス金利政策が解除され、「金利のある世界」へと移行しました。これが「今がM&Aのタイミング」と言われる最大の経済的要因です。

    買い手にとっては、今後さらに金利が上昇し資金調達コスト(借入の利息負担)が重くなる前の「今」が、もっとも積極的な投資や買収に踏み切りやすいタイミングとなります。

    一方、売り手にとってもこれは重要な事実です。買い手の調達コストが上がれば、それだけM&Aに投じられる買収予算はシビアになり、将来的に企業価値の評価額(売却価格)が下がるリスクを含んでいます。買い手の資金調達環境が良好な「今」動き出すことが、高値での売却を成功させる鍵となります。

    まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

    ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。

    事業承継の時期、「まだ早い」は大きな誤算

    先に触れた通り、M&Aのプロセスは、検討開始から成約まで1年~2年程度かかるのが一般的です。そのため、経営者に健康上の問題がでてきてから、慌ててM&Aの準備を開始しようとするのでは、理想のタイミングで売却できない場合がほとんどであるといえます。ベストな売却時期を逃すためにも、今年度中に「動き出す」ことによって、来年度の選択肢を広げておくことがおすすめされます。

    「今すぐに動き出すなんてハードルが高すぎる」と感じるかもしれませんが、事業承継を進めるためには、まず自社の企業価値を知ることが必要なので、それを調べることからはじめればいいということになるため、決して難しくはありません。

    まずは「自分の会社がいくらか」を知るところから

    ジョブカンM&Aでは、専任アドバイザーが事業価値の簡易査定から成約まで一貫して伴走します。相談は無料。売却・買収のどちらでもお気軽にどうぞ。

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