M&Aの意向表明書(LOI)とは?サンプル付きで理想的な書き方や法的注意点を徹底解説

M&Aを進めるにあたっては、意向表明書(LOI)がどのようなものであるのかをきちんと理解しておくことが大切です。具体的にどのような役割を果たす書類で、作成する場合にはどのような点に注意すればいいのかを解説していきます。

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目次
  1. M&Aにおける意向表明書(LOI)とは
  2. 意向表明書を提出するタイミングは?
  3. 意向表明書を提出するメリットは?
  4. 意向表明書に記載する内容は?
    1. 企業概要
    2. M&Aの実施目的
    3. M&Aに使用するスキーム
    4. 買収価格
    5. 買収価格の算定根拠
    6. 価格修正となる場合の要因
    7. 買収資金の調達方法
    8. 譲渡側企業の役員や社員に対する待遇
    9. M&Aのスケジュールに関しての要望
    10. デューデリジェンスの実施についての要望
    11. 独占交渉権(排他的交渉権)の要請と注意点
    12. 意向表明書の有効期限
    13. 意向表明書に法的拘束力を持たせる条項
    14. その他
  5. 意向表明書のサンプル
  6. 意向表明書を作成するにあたっておさえておくべきポイント
    1. M&Aの目的やメリットはできるだけ具体的に記す
    2. 売り手の希望を事前に確認する
    3. M&A成立後のシナジー効果を考慮した価格設定にする
    4. 他の買い手候補よりよい条件を提示する
    5. 専門家にドラフトをチェックしてもらう
    6. 【売り手側が留意すべきポイント】買い手の真剣度を見極める
  7. 意向表明書作成はM&A成立に向けての第一歩

M&Aにおける意向表明書(LOI)とは

M&Aにおける意向表明書(LOI)とは、M&Aの手続きを正式にスタートする前の交渉段階において、買い手が売り手に対して、買収の意思を示す目的で提出する書類です。英語では「Letter of Intent」であるため、「LOI」の略称で表記されることもあります。

なお、意向表明書は必ず提出しなければならないというわけではありません。提出の必要がないと判断するのであれば、作成および提出することなく、M&Aを進めていくことも可能です。ただし、提出の有無によって、売り手が買い手に対して抱く印象は変わってくる可能性は考えられます。

また、提出する場合、原則として売り手企業の経営者に提出しますが、別途、大株主がいる場合、株主にも同様に提出することがあります。

意向表明書を提出するタイミングは?

前述した“M&Aの手続きを正式にスタートする前の交渉段階”とは具体的にどのタイミングかというと、M&A取引に向けて、売り手企業と買い手企業のトップ面談が実施された後のタイミングです。一般的に、次の流れで、M&A取引に向けての準備を進めていきます。

  • 【初期検討】M&Aが自社にとって最適稼働であるかを社内で検討する
  • 【秘密保持契約】売り手企業と買い手企業とで秘密保持契約を結ぶ
  • 【トップ面談】M&A取引に対する理解を深めるべく、双方のトップ同士による面談をおこなう
  • 【意向表明書作成・提出】今後進めるべき具体的な手続きを意向表明書にまとめる
  • 【基本合意書(MOU)締結】基本合意書を締結する
  • 意向表明書を提出するメリットは?

    意向表明書は提出しなくてもいいとなると、「提出しないことにしたほうが、作成の手間が省けるぶん、M&Aをスピーディに進められるのでは?」と考えるかもしれません。

    しかし実際はその逆です。どういうことかというと、意向表明書の提出を通して、買い手企業は取引に対する意志を明確に示して、売り手企業との間で基本条件を共有することができます。

    しかも、M&Aを正式に進めていく前の交渉段階で、このステップを踏んで期待値をすり合わせることができるため、後々、齟齬が生まれて時間やリソースを無駄にしてしまうのを防ぐことができます。

    また、買収を希望する企業が複数社ある場合、売り手企業は、意向表明書を通して各社の具体的な提案を比較検討することで、よりよい条件を提示してくれた相手を選定することができます。

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    意向表明書に記載する内容は?

    意向表明書に記載する内容に関して決まりはありません。

    一般的には、買い手企業が自分たちのことを知ってもらうために企業概要を記したり、買収の意思を表明するM&Aの買収スキームや買収希望価格などを記したりする場合が多いです。

    これらを含めて、次のような事項を記載するケースが多いですが、すべて網羅しないといけないというわけではなく、また反対に、他に記載したいことがあれば追加しても問題ありません。

    ≪意向表明書に記載されることの多い事項≫

  • 企業概要
  • M&Aの実施目的
  • M&Aに使用するスキーム
  • 買収価格
  • 買収価格の算定根拠
  • 価格修正となる場合の要因
  • 買収資金の調達方法
  • 譲渡側企業の役員や社員に対する待遇
  • M&Aのスケジュールに関しての要望
  • デューデリジェンスの実施についての要望
  • 独占交渉権について
  • 意向表明書の有効期限
  • 意向表明書の法的拘束力について
  • その他
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    企業概要

    商号および代表者指名、事業内容、沿革なとの、買い手企業の概要を記載します。必要に応じて、資本金や財務状況についても記載します。買い手企業がグループ企業の場合は、子会社もしくは親会社の商号も併せて記載します。

    自社の事業内容や、グループ内の会社の事業内容に関しては、売り手企業とのシナジー効果が期待できるものについて特に詳しく記載すると、売り手企業からよい印象を持たれやすいといえます。

    事業内容や沿革について相手に詳しく知ってほしい場合、会社案内のパンフレットなどを添付しても構いません。

    また、買い手企業自体ではなく、子会社や新設会社に買収させるという形をとる場合、買い手企業と実際に買収する企業が異なる点についての説明も落とし込みます。

    M&Aの実施目的

    前述の通り、シナジー効果は売り手企業も強い興味を抱くポイントであるため、M&Aの実施目的としてもしっかり記したいところです。

    また、既存事業の拡大、新規エリア・新規事業への進出、人材やブランドの獲得などの目的がある場合も、できるだけ詳しく記します。

    M&Aに使用するスキーム

    M&Aに使用するスキームは、後々変更する可能性もあるため、意向表明書作成時における買い手側の希望スキームを記すので構いません。

    株式譲渡を希望する場合は、取得予定の株式数または取得割合、事業譲渡を希望する場合は取得予定の事業資産も記します。

    買収価格

    買取価格は、意向表明書に記した通りとなるわけではなく、交渉によって変更となる場合があります。そのため、「X億円からY億円」などと幅を持たせて記載するケースが多いです。ただし、入札形式の場合は、幅を持たせることなく、特定の金額を記載するのが一般的です。

    また、価格を記載する際は、「キャッシュフリー・デットフリー」(負債を差し引き、現預金を除く)を前提とするか、「株式価値」(発行済み株式の価値)を前提とするかなど、価格の算定ベース(基礎)を明確に記載する必要があります。この前提が曖昧だと、後の基本合意書や最終契約で大きな価格の齟齬が生じる原因となります。

    買収価格の算定根拠

    買取価格の算定根拠は省略するケースも多いです。記載する場合は、時価純資産法、類似会社比準法など、買取価格の算定に使用した手法を記載します。

    価格修正となる場合の要因

    どんなことがあった場合、価格を修正することとなる可能性があるかも予め記しておくと安心です。具体的にどんなことが起こり得るかは、想定の範囲で書くしかありませんが、デューデリジェンス後に価格が修正となる可能性があることは記載しておくといいでしょう。

    買収資金の調達方法

    買収資金の調達方法はなぜ記すことがあるかというと、意向表明書に記載している買取価格で買収可能であることを示すためです。

    調達方法としては、自己資金、借入、増資またはそれらの組み合わせなどが考えられますが、「大部分が借入だと先方からよくない印象を持たれるのでは?」と不安になるかもしれません。しかし、事実と異なることを記すと後々問題になる場合があるので、記載する場合はきちんと事実を記します。

    譲渡側企業の役員や社員に対する待遇

    買収後の自社の役員・社員への待遇は、売り手企業にとってもっとも気になるポイントのひとつです。そのため、この項目に関しては具体的に記載することが望ましいといえます。

    役員への待遇に関しては、役職変更を伴う場合は予定している新しい役職、買収後に引継ぎ期間を設ける場合は、引継ぎ期間中における役職や給与・報酬も記載します。

    社員への待遇に関しては、最低でも現状を維持することを約束したいところです。

    M&Aのスケジュールに関しての要望

    基本合意締結、デューデリジェンス実施、最終契約締結、クロージング実施日などのスケジュールを記します。ただし、スケジュールに関しては予定通りにいかないことも多いので、M&Aの進捗によって随時修正していくことが大切です。なお、スケジュールを修正する際は、更新したスケジュールを改めて売り手側に提示することが大切です。なぜかというと、最新のスケジュールをお互いが把握しておかなければ、予定に間に合わせようとして動かないため、進み具合がさらに悪くなる可能性があるためです。

    デューデリジェンスの実施についての要望

    デューデリジェンスによって調査したい内容や、実施期間などを詳しく記します。

    デューデリジェンスは、法務、財務、税務など多岐にわたる分野に対して実施するのが一般的ですが、どの分野についてどんなふうに調査を進めていきたいのかまで確定できていない場合は、これから双方の話し合いによって決めていきたい旨を記します。

    また、デューデリジェンスにかかる費用は原則として買い手企業が負担することになりますが、そうでない場合は、具体的にどのような形で調査をおこなうのかを記すことが大切です。

    独占交渉権(排他的交渉権)の要請と注意点

    買い手がM&Aの検討に多大なコスト(デューデリジェンス費用や専門家費用)と時間を費やすことから、売り手に対して、一定期間は他の候補者と交渉を行わない「独占交渉権」の付与を意向表明書で要請することが一般的です。独占交渉権は、通常、法的拘束力を持たせます。

    【買い手側の留意点】

  • 期間の妥当性:DD実施に必要な期間を考慮し、3ヶ月から6ヶ月程度の期間を設定するのが一般的です。長すぎると売り手側に不利と見なされます。
  • 違反時の措置:もし売り手が独占交渉権に違反した場合の損害賠償(逸失利益ではなく、調査費用相当額など)について規定することもあります。
  • 【売り手側の留意点】

  • 期間は最短に:他の候補者からのより良い提案機会を失うリスクがあるため、独占交渉期間はDDの必要最低限の期間に限定する交渉が重要です。
  • 例外規定の確認:すでに交渉中の候補者との手続き継続や、新たな接触があった場合の対処など、例外規定を設けることを検討すべきです。
  • 意向表明書の有効期限

    意向表明書に有効期限として具体的な日時を記載します。ただし、期限内に最終契約が締結された場合や、M&A交渉が中止になった場合などは、有効期限内であってもその効力を失う旨も記しておきます。

    意向表明書に法的拘束力を持たせる条項

    意向表明書(LOI)は、基本的には法的拘束力を持たない「意思確認のための文書」です。しかし、以下の特定の条項については、法的拘束力を持たせるのが一般的であり、意図的に法的拘束力を持たせる旨を明記する必要があります。これらの条項は、交渉の公平性を保ち、買い手側がM&Aを検討する労力とコストを保護するために重要です。

  • 独占交渉権(排他的交渉権):買い手のリソース投入を保護するため、売り手は一定期間、他の候補者との交渉ができません。これに違反した場合の損害賠償など、具体的な法的効果も規定することがあります。
  • 秘密保持義務(守秘義務):開示された非公開情報の漏洩を防ぐため、効力が失われる期間を含めて法的拘束力を持たせます。
  • デューデリジェンスに関する費用負担:調査費用などについて、買い手が負担する旨を明確に規定し、法的拘束力を持たせます。
  • 準拠法・管轄裁判所:万が一の紛争に備え、これらの事項についても法的拘束力を持たせることが多いです。
  • なお、上記以外の買収価格や取引スキームなど、M&Aの本質的な内容に関する条項には法的拘束力を持たせないことが通例です。この点も明確に記載しておくことで、不要なトラブルを避けられます。

    その他

    その他、売り手企業から興味を持ってもらえそうな要素はできるだけ落とし込むといいでしょう。たとえば、買い手企業のM&Aに対する思いなどを綴る場合もあります。

    M&A・事業承継で失敗したくないなら

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    「信頼できる相手を見つけたい」「交渉や手続きが不安」「適正な価格で取引したい」といった、M&Aに関するあらゆるお悩みを解決に導きます。

    詳しいサービス内容を知りたい、気軽に相談したいという方は、下記サービスサイトをご覧ください。

    意向表明書のサンプル

    意向表明書には上記にあげたような要素を盛り込み、たとえば次のようにしたためます。

    2025年X月X日(意向表明書を提出する日付)
    株式会社XX(売り手企業名)御中
    XX県XX市XX町1-1-1(買い手企業の住所)
    XX株式会社(買い手企業名)
    代表者名 XX

    拝啓
    貴社におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
    このたびは、貴社の株式譲渡のご案件(以下「本件」といいます)につきまして、弊社に検討の機会を賜り、誠にありがとうございます。

    ご開示いただきました資料をもとに社内で検討しました結果、弊社が本件に大きな関心を抱いておりますことを、本書面にて表明いたします。
    なお、本書面にて表明する弊社の意向は、現時点における公開情報および貴社より受領した諸資料のみに基づくものです。追加の情報およびより詳細な企業調査の結果などによっては、変更が生じる可能性がありますことをお含み置きいただきますようお願い申し上げます。
    敬具

    1.弊社概要
    会社名:
    代表者名:
    本店所在地:
    事業内容:

    2.取引形態・希望譲渡価額
    取引形態:株式譲渡
    取得株式数:発行済株式100%
    希望価格:X億円からX億円
    ただし、追加提出された資料やデューデリジェンスなどによって、価格変動が生じる場合があります。

    3.譲渡価額の算出方法
    受領いたしました貴社の資料情報に基づき、DCF法を採用して計算しています。

    4.本取引を希望する理由・目的
    顧客の拡大を目指し、M&Aを検討いたしております。
    弊社はXX分野に強みがあるものの、YYの領域は開拓を進めている段階です。
    貴社が誇るYYのサービスに関する卓越したノウハウと、優秀なエンジニアの皆さまのお力を引き継ぎ、貴社と弊社の連合グループとして大きなビジネスチャンスを掴みたいと考えております。

    5.貴社役員・従業員の処遇
    貴社従業員につきましては、原則として現状の雇用条件を維持します。また、取締役につきましても、現状の委任契約を継続する意向です。

    6.対価の支払い方法および資金調達方法
    対価の支払いにつきましては、XX株式会社宛て銀行振込にてお支払いいたします。資金につきましては、手元現預金および借入金によって調達いたします。

    7.スケジュール
    基本合意締結:2025年X月X日
    デューデリジェンス実施:2025年X月X日
    最終契約締結:2026年X月X日
    クロージング実行日:2026年X月X日
    上記はあくまで予定であり、変更される可能性があることをご了承ください。

    8.デューデリジェンス
    デューデリジェンスにつきましては、財務・法務・税務・ビジネスについて、弊社および弊社指定の専門家によって実施させていただきたく存じます。実施日や調査方法につきましては、別途相談させていただきたく存じます。デューデリジェンス費用につきましては弊社が全額負担いたします。

    9.独占交渉権
    2026年X月X日まで弊社との独占交渉権を付与していただき、弊社以外の第三者と本件について協議しないことをお願い申し上げます。

    10.有効期限
    本意向表明書の有効期限は、
    (1)基本合意締結日
    (2)最終契約締結日
    (3)本件取引の中止を決定した日
    (4)2026年X月X日
    のうち、最も早く到来した時点といたします。

    11.秘密保持
    本意向表明書の存在および内容について、第三者に漏洩しないようお願い申し上げます。

    12.法的拘束力
    本意向表明書の全ての事項について、法的拘束力は有しないものといたします。

    以上

    住所:
    社名:
    代表者氏名:

    意向表明書を作成するにあたっておさえておくべきポイント

    意向表明書を作成する際は、次の点に注意しましょう。

  • M&Aの目的をできるだけ具体的に記す
  • 売り手の希望を事前に確認する
  • M&A成立後のシナジー効果を考慮した価格設定にする
  • 他の買い手候補よりよい条件を提示する
  • 専門家にドラフトをチェックしてもらう
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    M&Aの目的やメリットはできるだけ具体的に記す

    M&Aを実施することによって、売り手側にどんなメリットがあるのかが先方に伝わるよう、M&Aの目的とメリットをできるだけ具体的に記します。
    買い手側がどんな経営プランや将来的なビジョンを描いているのかがわかれば、売り手側がM&Aの実現に向けて積極的に動いてくれる可能性が高くなります。
    また、認知拡大、新規分野の開拓など、売り手企業にとっても魅力的に映るメリットについてもしっかり伝えていきます。

    売り手の希望を事前に確認する

    売り手の希望は事前に確認しておいて、その希望を満たす内容にすることは非常に大切です。
    前半で解説した通り、基本表明書を提出するタイミングはトップ面談の後なので、トップ面談時に、売り手側の希望をしっかり聞いておくことが重要です。
    なお、買い手候補が複数社ある場合、少しでも早い段階で基本表明書を提出したいとの考えから、トップ面談前に提出する場合もありますが、その場合は、事前に入手できている資料などの情報をもとに、できる限り売り手側の希望を汲んで、基本表明書に落とし込むようにしましょう。

    M&A成立後のシナジー効果を考慮した価格設定にする

    買い手候補が複数社ある場合、売り手にとって、買収価格は重要な比較検討ポイントです。とはいえ、価格が高ければ高いほど売り手にとって魅力ということはありません。理由もなく高い買収価格を提示されると、売り手は不信感を抱く可能性があります。それを防ぐためにも、提示する買収価格には説得力を持たせることが大事です。
    では、どうすれば買収価格に説得力を持たせることができるかというと、期待されるシナジー効果を具体的に記して、それによってどれくらいののれんが見込めるのかの説明を添えることです。

    他の買い手候補よりよい条件を提示する

    複数の買い手候補から、「この会社と譲渡契約を締結したい」と思ってもらうためにも、意向表明書を作成する場合、競合他社よりよい条件を提示することが大切です。
    前述の通り「よい条件」とは価格というわけではありません。たとえば、規模の大きい会社であるなら、経営基盤が安定していることなどをアピールすることができますし、規模は小さいものの独自のノウハウや技術を有しているなら、その点をアピールしてもいいでしょう。

    専門家にドラフトをチェックしてもらう

    売り手に提出する意向表明書を作成する前に、ドラフトを作成して、専門家にチェックしてもらうと安心です。
    仲介会社を通してM&Aをおこなう場合、仲介会社のアドバイザーにチェックしてもらうこともできますが、顧問弁護士や顧問税理士に相談するのも一手です。ただし、アドバイザーや士業専門家ならだれでもいいというわけではなく、意向表明書をよく理解している人に頼ることが重要です。
    また、銀行などの金融機関や、商工会議所・商工会なども相談に乗ってくれる場合があります。

    【売り手側が留意すべきポイント】買い手の真剣度を見極める

    売り手企業は、意向表明書を受け取る側として、その内容から買い手のM&Aに対する真剣度を測る必要があります。形式的なLOIを提出するだけの「冷やかし」ではないかを見極めることが重要です。

    【確認すべき具体的内容】

  • 買収価格の算定根拠:なぜその価格になるのかの根拠が明確か。
  • 買収資金の調達方法:自己資金や借入など、実現可能性が高いか。
  • 譲渡側企業の役員や社員に対する待遇:具体性があり、従業員への配慮が見られるか。
  • 独占交渉権の期間と規定:期間が長すぎないか、違反時の取り決めが公平か。
  • 特に独占交渉権を付与する場合は、期間を必要最小限に抑え、違反時の取り決めを弁護士と確認し、売却機会の損失リスクを最小限に抑えることが不可欠です。

    意向表明書作成はM&A成立に向けての第一歩

    M&Aを進めるにあたっては、意向表明書以外にもさまざまな書類を用意することになりますし、必要な手続きも多く、専門的な知識が不可欠です。とはいえ、必要なことをすべて自社でおこなうのには限界がありますし、ベストな結果につながらない可能性もあります。そのため、必要に応じて、知識や経験が豊富な専門家を頼ることが大切ですよ。

    M&A・事業承継で失敗したくないなら

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    執筆 ジョブカンM&A編集部

    ジョブカンM&Aは、株式会社DONUTSが運営するM&Aアドバイザリーサービスです。主に企業の事業承継、成長戦略、出口戦略(イグジット)といった多様なニーズに応えることを目的としています。最大の特徴は、累計導入社数20万社以上を誇るバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」の広範なネットワークを活用している点です。この強力な顧客基盤を生かし、効率的なマッチングを実現します。


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